2000年代に入りIT産業が急激に発展すると、それに伴い半導体分野で大きな変化が顕著に見られました。半導体は傷が少しでもついたら機能しないほどの繊細な部品となり、それに加えスマホやパソコン、カメラなどの小型化に伴い、年々求められる部品のサイズも小さくなっています。
その半導体を作る「半導体製造装置」の部品は、さらに小さく、高い精度が必要となります。弊社フィリールでは、電子機器や車・航空・宇宙産業にも対応できる技術と経験があり、あらゆる機械加工を可能としています。他社で断られた高難易度の案件も是非一度ご相談ください。
目次
半導体部品とはどんなもの?
半導体部品とは電子・数値制御している重要な機械部品で、コンデンサやダイオード・トランジスタ・インダクタなどが挙げられます。この半導体部品を作る大きな装置を半導体製造装置と呼び、切削の製作所ではこちらの装置に組み込む部品の制作を請け負うことができます。
半導体の精密加工。ナノ・ミクロンサイズの加工が必要
半導体の切削では、1μm(1000分1mm)単位の精密加工が求められます。半導体部品はもちろん、半導体製造装置の部品はさらに精密な精度が必要となります。
その理由は、工作機械の母性原理がという特徴が背景にあります。簡単に説明すると、精度の高い半導体部品を加工するためには、それ以上に精密に加工された半導体製造装置が必要というものです。
半導体部品の金属・機械加工は切削が一般的な理由
半導体部品の金属・機械加工は原則材質を直接削る切削加工となります。溶接や型抜きでは半導体部品に求められる精度を出すことはまず不可能だからです。
そのため、切削業者に依頼する際は、要望の精度に切削できる高価な工作機械を整備しているところに限られるため、近年の不景気で設備投資が進んでいない業者は選択肢から外れる可能性が高いです。
また、半導体の加工は年々高い精度が求められ、いつも依頼していた切削業者から「この精度はうちでは出せない」、「この精密加工ができる工作機械がうちにはない」と断られるケースもあります。
半導体の機械加工。精度以外の重要な要素は?
半導体は上述したように、僅かな傷でも許されない非常に繊細な部品となります。また、ナノメートルと呼ばれる極小の精度が求められるので、製造業を選ぶ際は、「高精度の機械加工ができる業者」を基準に選んでしまいがちです。しかし、精度と同じくらい重要となる要素が、「耐久性」です。
電子機器や半導体製造装置は、小さな部品を数百から数千個で構成して作られるため、もし不具合を起こして壊れでもしたら、どの部品が不具合を起こしたのかを突き止めるのは困難ですし、たった1つの部品の耐久性がなかったために、本体自体が壊れてしまうこともあります。
そのため、半導体の機械加工において、部品の耐久性というのは精度と同じレベルで追求しなければならない要素となります。
コロナ以降は半導体不足&製造原価の高騰が社会問題
また、加工依頼をするメーカーにとっては、近年コロナ以降のコスト高も悩める問題です。コロナ以降は半導体の原材料の供給が滞り、2021年以降供給量は徐々に戻りつつありますが、それでも物流価格の高騰により、全面的なコスト高となっています。
半導体部品の原材料としてよく使われるアルミやステンレス、インコネルはコロナ以前と比べると1.2~1.5倍以上に値上がりし、生産拠点にツテのない業者が仕入れると2倍以上に調達コストが上がっています。これまで付き合ってきた切削業者からこれまでよりも高い見積りが出てきた場合、上記事情を知らないと取引先と摩擦が生まれる可能性もあります。
金属素材の価格高騰は2022年以降のロシアウクライナ問題、及び円安が大きな要因となっています。いずれも2022年時点では出口が見えないため、場合によっては調達に強い切削業者を探さなければなりません。
半導体部品の機械加工業者の選び方
半導体部品の機械加工業者を選ぶ際は、どのような基準で探すのがおすすめなのでしょうか。半導体部品と一概にいっても、どの程度の精度が必要なのかは部品製品によって大きく異なります。
そのため、まずはできるだけ具体的かつ複雑性を省いた図面を自社で用意して、その精度を出せる業者を複数選択して相見積もりをとるのがいいでしょう。
■切削加工業者選択のポイント
・商社を介さず海外調達ができる業者はコスト面で有利となる
・工作機械の数が多い業者は納期面で有利となる
・半導体の部品加工は高性能の工作機械が必要なため、業者の設備を確認する
・業者の窓口担当者が予算・納期・設計などの要望を汲んでくれて、論理的に提案してくれる
などが切削加工業者を選ぶ基準となります。
半導体製造装置の部品加工業者を探すときはより注意が必要
半導体製造装置の部品加工を依頼する場合は、より業者の選定に吟味が必要となります。製品の重要なチップを司る半導体の部品自体が非常に精密な加工が要求されます。その部品を製造する半導体製造装置の部品は、さらに精密でなければなりません(母性原理)。
そのため、半導体製造装置の部品を依頼する切削業者は、以下を基準に探してみるのがいいでしょう。
1.実績が豊富な切削専門業者であり、提携している加工業者が数多くある
まずは半導体製造装置の部品加工の実績が多くあることは言わずもがなとなります。また、切削専門業者の多くは切削以外の加工は提携している業者に任せますが、その業者の数が少ないと、肝心な加工工程を請け負ってくれない可能性があります。
2.担当者・社長の人柄や対応がしっかりしている
調達担当者の中には「しっかり規格通りの部品を納品してくれれば人柄は問わないよ」という人もいるかもしれませんが、それはリスクがつきまといます。
零細中小企業では窓口となる担当者が社長であることも多いですが、社長の人柄や対応は企業としての方針となります。平気で納期を遅れたり、納品されたものが規格に合わなかった際に「うちは図面通りにやった」と責任転嫁をする工場も決して少なくありません。
3.規格に合わなかったときに再加工の対応をしてくれる
依頼する製造業が海外工場に拠点を持っている場合、海外現地で加工することによって人件費や材料費が安い分見積もり価格も下げることができます。しかし、海外工場で図面通りに加工したとしても、切削工程の違いなどから、「精度や寸法は問題ないけれど、なぜか規格に合わない」ということが時折あります。
そのような問題が発生したときにしっかりと対応してくれる切削工場に依頼するべきと言えます。特に半導体製造装置の部品のような小型で精密な加工は、どうしても原因不明のトラブルが発生しがちです。そのときに臨機応変に対応してくれるかどうかはメーカーにとっては非常に重要な要素と言えるのではないでしょうか。
フィリールではアルミ・ステンレスの半導体部品の切削加工に自信あり
弊社フィリールは、アルミやステンレスといった半導体部品に使う金属素材の切削加工を専門とした製造業です。
弊社はベトナムと中国に工場を有し、さらに韓国を含めた3か国から素材を直接調達しています。金属素材の調達は通常日本の商社や販売店を介して行いますが、弊社は直接仕入れることができるため、他社よりもコストメリットを提供することができます。
フィリールだからこそ可能な半導体部品の機械加工
大阪を拠点とする弊社フィリールは、金属の切削において、長年豊富な機械加工の実績を積み上げてまいりました。半導体製造装置のような高度な精度と耐久性が求められる部品加工も数多くの経験がございます。
また、半導体のような高度な部品の機械加工においては、昨今は特殊な素材を用いて、難削材と呼ばれる一般の加工が難しい金属をつかいます。そのため、業者を探す際は、半導体の部品を制作できる工作機械が完備されているだけではなく、加工品となる難削材の特性をよく理解した機械加工ができる技術者が必要となります。
半導体部品の精密機械加工は試作品制作も可能!
半導体部品の本生産にあたる前には、必ず試作品を作るかと思いますが、企業によっては試作品を切削業者ではなく試作品メーカーに持ち込むところも見受けられます。しかし、半導体部品のような精密加工が必要なケースでは、切削業者が試作品から制作に携わることによって、加工方法や図面の見直しができるので、本生産での失敗のリスクや不良率を下げることができます。
フィリールでは試作制作から本生産までの加工実績多数!
フィリールでは試作品の制作はもちろん、本生産にスムーズに移行できるよう、図面・設計図の見直しから提案させていただきます。複雑な図面は規格の範囲内で簡素化することで機械チャージを抑えることができますし、同じ特性を持ったより安価な材質に変えることによって大幅なコストダウンが可能となることもあります。
フィリールではこれまでの加工実績から短納期・低予算を可能とするさまざまな提案をさせていただくことが可能です。切削業者は図面通りに加工することになるため、最初に設計する図面が命となります。弊社では図面作成から承ることができるので、是非ご相談ください。
半導体部品の機械加工では綿密な打ち合わせが成功のポイント
半導体部品のような高度な機械加工は、図面を丸投げされて加工できるものではありません。そのため、弊社フィリールでは、事前にしっかりとお話をさせていただき、ご依頼主様の理想の機械加工を実施致します。
大阪とその近郊であれば直接商談させていただくことも可能ですが、遠方のお客様に対しても電話やメール、zoomなどのオンライン会議システムで同程度のサービスを提供させていただいております。絶対に失敗は許されない半導体の機械加工。だからこそ、弊社フィリールにご相談ください。