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SCM435とSCM420の違いが今すぐわかる!加工方法や使用用途を解説!!

2022.06.15(Wed)

材料Q&A

SCM435とSCM420の違いが今すぐわかる!加工方法や使用用途を解説!!

SCM435とSCM 420は、クロム鋼に対してMo(モリブデン)を添加した合金です。これらの合金の違いは、主に炭素量の違いです。本記事では、SCM435とSCM 420の違いや加工方法について説明します。材料の特徴を知り、加工に役立てたい方は最後までご覧ください。

目次

  1. SCM435、SCM 420とは?
  2. SCM435とは?
  3. SCM 420とは?
  4. SCM435とSCM 420の加工方法
  5. 旋盤加工
  6. フライス加工
  7. SCM435とSCM 420の組織
  8. まとめ

SCM435、SCM 420とは?

SCM435とSCM 420は、クロム鋼にMoを添加した「クロムモリブデン鋼」です。クロム鋼は、Cr(クロム)とMn(マンガン)を添加した鋼のことで、機械構造用炭素鋼として使用されています。

一方でクロムモリブデン鋼は、機械構造用合金鋼に分類され「クロモリ」と呼ばれる合金です。添加元素はC(炭素)やCr、Moであり、クロム鋼よりも硬度に優れる特徴があります。ただし、ステンレス鋼と比較して耐食性が劣ることに注意が必要です。

添加元素Crは合金表面に酸化皮膜を形成するため、鋼が腐食から保護される役目を果たします。しかし、クロムモリブデン鋼はCr含有量が少ないため、腐食環境から十分に保護できる皮膜を形成できません。

SCM435とは?

SCM435はクロムモリブデン鋼の中でも、とくに硬度が高い合金です。JIS規格(日本工業規格)では、ブリネル硬さが269~331HBWと定義されています。ちなみにクロムモリブデン鋼全般に見られる記号「SCM」は、Steel(鉄)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)の頭文字に由来しています。

SCM435Hのように、名称の後に記号「H」がつく場合は、焼入れによる熱処理ができる合金です。焼入れは硬さを向上するために施す熱処理で、SCM435Hをはじめとした合金は「H鋼」と呼ばれています。

SCM435の成分規格は、以下のとおりです。
・C(炭素)0.33~0.38%
・Si(シリコン)0.15~0.35%
・Mn(マンガン)0.60~0.90%
・P(リン)0.030%以下
・S(硫黄)0.030%以下
・Ni(ニッケル)0.25%以下
・Cr(クロム)0.90~1.20%
・Mo(モリブデン)0.15~0.30%

SCM 420とは?

SCM 420はクロムモリブデン鋼の一種であり、SCM435より炭素量が少ない合金です。一般的に、炭素量が多いほど鋼の硬度は向上します。C(炭素)が鉄に溶け込むことで、硬い組織を形成するためです。

SCM420では硬度を向上する場合、浸炭と呼ばれる熱処理を利用します。浸炭は、材料表面のみにCを溶け込ませる熱処理です。材料内部までCが溶け込まないため表面は硬く、内部は軟らかい特性に調整できます。

SCM 420の成分は、以下のとおりです。
・C(炭素)0.18~0.23%
・Si(シリコン)0.15~0.35%
・Mn(マンガン)0.60~0.90%
・P(リン)0.030%以下
・S(硫黄)0.030%以下
・Ni(ニッケル)0.25%以下
・Cr(クロム)0.90~1.20%
・Mo(モリブデン)0.15~0.25%

SCM435に比べると、C含有量は低く規定されており、Moの最大含有量は低い特徴があります。

SCM435とSCM 420の加工方法

SCM435やSCM 420など、クロムモリブデン鋼で主に使用される加工方法は切削加工です。代表的な切削加工には「旋盤加工」や「フライス加工」があります。

旋盤加工

旋盤加工は、クロムモリブデン鋼を回転させながら、工具をあてることで加工する方法です。精度が高く製品を作製できることがメリットで、精度が0.001mmオーダーで仕上げられます。

旋盤加工は手動で加工する方法のほかに、コンピューター制御で加工するNC旋盤があります。コンピューターで制御するため作業者の力量に依存されず、一定の加工精度を得られることが特徴です。旋盤加工では様々な形状に加工でき、たとえば以下の種類があります。
・外径加工;材料の外形を削る加工
・デーパ加工:すり鉢状に外形を削る加工
・穴あけ加工:ドリルで穴をあける加工
・内径加工:材料の内径を削る加工
・溝加工:溝状に削る加工
・突っ切り:溝加工後に材料を切断する加工
・ねじ切り:ねじ山を作る加工

フライス加工

フライス加工ではクロムモリブデン鋼を固定して、工具を回転させながら加工します。マシニングセンタをはじめとした「NC工作機械」が主に使用され、一定の精度を維持しながら大量生産できることが特徴です。

NC工作機械を使用すると、作業者による加工仕上げのバラツキを防いだり、24時間いつでも稼働できたりします。とくにフライス加工や穴あけ加工など、複数の加工プロセスを1台に統合した機械がマシニングセンタです。

フライス加工の種類は数多く、主な加工方法は以下のとおりです。
・平面加工:材料の平面を削る加工
・側面加工:材料の側面を削る加工
・段差加工:平面と側面を削り、段差を作る加工
・溝加工:材料に溝を作る加工

また工具の種類も豊富で、次のものがあります。
・エンドミル:外周と底に刃物がついた工具
・正面フライス:外周に複数の刃物がついた工具
・平フライス:外周に刃物がついた筒状工具
・側フライス:外周と側面に刃物がついた円盤状工具
・メタルソー:側フライスを薄くした工具
・溝フライス:外周に刃物がついた円盤状工具

様々な種類があるため、製品形状に合わせて適切に加工方法を選びましょう。失敗したくない方は、加工実績のある企業に依頼するのもオススメです。

SCM435とSCM 420の組織

SCM435とSCM 420に含有される炭素量は異なりますが、基本的な組織は同じです。具体的な組織はオーステナイト組織やフェライト組織、パーライト組織であり、熱処理条件を調整することで組織制御できます。

オーステナイト組織は、900℃程度の高温状態で形成される組織です。比較的軟らかい性質を有し、磁石につかない特徴があります。フェライト組織は軟らかい組織であり、加工性に優れている組織です。そのため、オーステナイト組織やフェライト組織の割合が多い合金は、硬度が低い性質をもちます。

一方でパーライト組織は、フェライト組織とセメンタイトが層状になった組織です。セメンタイトとは鉄の炭化物(Fe3C)を指しており、比較的硬いことが特徴です。したがって、パーライト組織はほかの組織に比べて硬い性質を有しています。

パーライト組織に見られる層状組織は、熱処理に伴う冷却時に形成されます。冷却中、鉄に溶けていたCが、最も効率よく析出できる手段が層状析出です。1箇所にまとめて析出されるよりも、界面を作りながら層状に析出することでエネルギーを抑えられます。

これらの組織は熱処理によって決まり、異なる特性を発現することが特徴です。以下にJIS規格で定められている熱処理と、それぞれの特性を紹介します。

(SCM435)
・熱処理:焼入れ830~880℃油冷、焼戻し530~630℃急冷
・引張強さ930MPa以上
・伸び15%以上
・絞り50%以上
・シャルピー衝撃値78J/cm2以上

(SCM420)
・熱処理:焼入れ(一次)850~900℃油冷、(二次)800~850℃油冷、焼戻し150~200℃空冷
・引張強さ930MPa以上
・伸び14%以上
・絞り40%以上
・シャルピー衝撃値59J/cm2以上

SCM435とSCM 420の用途


SCM435の用途は以下のとおりです。
・軸類部品
・アーム類
・歯車
・ボルト
・機械構造部品全般
・自転車のフレーム

一方でSCM420は、以下の用途に使用されています。
・歯車
・軸類部品
・機械構造部品全般

まとめ

SCM435とSCM420はクロムモリブデン鋼の一種で、機械構造部品に広く使用されている合金です。切削加工を用いる場合が多く、熱処理により様々な特性に制御できます。加工の際は、経験がある企業への依頼がオススメです。フィリールでは数多くの実績があり、材料知識も備えているので、お気軽にご相談ください。


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