金属素材の中でも最も需要の高いステンレスですが、昨今は価格が高騰中。そんな中でステンレス加工の製作依頼を工場にする場合、どのような点に気を付けて交渉すれば、予算・納期ともに安定した取引ができるのでしょうか。
目次
ニッケルの高騰に伴いステンレス製作の価格が上昇
2022年に入るとロシア・ウクライナ問題が加熱し、世界的に原油価格が上昇しているのは周知の通り。それに伴いニッケルの価格が高騰し、通常時の2倍近く上昇しています。
ステンレスとは一見すると関係ないように思えますが、ステンレス合金の中でも需要の高い304系は8%程度のニッケルが含有しているため、原料価格の上昇により、ステンレス自体の価格も押し上げられているのが現状となります。
ステンレス製品の依頼をする際の留意点
現状ロシア・ウクライナ問題が落ち着きを取り戻したとしても、ロシアに対する経済制裁は続きますので、中期的にステンレスの価格は上がっていく可能性が高いです。
そのため、ステンレス製品の加工や調達を考えている企業は、
①ステンレスの安定した仕入れができる工場
②ステンレスの安定した価格維持ができる工場
を探す必要があると考えられます。
ステンレス製品の加工を依頼する工場の特徴とは
では、上記留意点を踏まえた上で、ステンレス製品の加工を依頼する工場は、どんな条件をもとに探せばいいのでしょうか。
ステンレス製品の加工や難削材に得意な業者であることが前提
極々ありふれた金属素材であるステンレスですが、実は熱伝導率が低く、切削加工業からすると、合金によっては難削材としてみなされています。
そのため、ステンレス製品の加工に慣れている業者ではなければ、そもそも依頼主が望む精度が出ない可能性があります。そのため、下記で紹介する業者を選ぶポイントの前に、そもそも論としてステンレス製品の切削、及び難削材の加工を請け負える工作機械や技術者がいることが前提となることは覚えておいてください。
国や東南アジアに自社工場を有している業者を探す
日本におけるステンレス製品の主な輸入先は、中国、韓国、台湾となりますが、韓国と台湾は仕入れコストが高いため、低価格でステンレス製品の加工を依頼したい場合は、中国から仕入れている工場を探すのがいいでしょう。
自社工場から直接ステンレスを輸入している工場が価格面で強い
しかし、多くの工場は中国から輸入しているといっても、間に商社や現地の日本人が絡む販売店から購入しているのが普通です。このような工場にステンレス製品の依頼をしても、なかなか価格交渉で安くはなりません。
おすすめは、中国に自社工場を持っていて、そこから直に卸している工場です。商社を介さない分、価格を抑えることができます。また、中国と繋がりの深いマレーシアやインドネシア、ベトナムに工場を持っている工場もおすすめです。特にベトナムは中国から地続きでステンレス素材を仕入れることができるので、輸送コストも安いです。また、大抵は現地工場のバックに中国に親類がいるベトナム人が仕入れを助けてくれるので、やはり卸価格は安いです。
年間を通してステンレスの安定供給ができる
中国に自社工場を持っていて、そこから直にステンレス製品や素材を輸入することができる業者は、年間を通して安定した供給ラインを確保しています。昨今はロシア・ウクライナ問題による価格の上昇だけではなく、新型コロナによる供給量の減少も目立ちます。
そのため、合金の種類や量、形状によっては、大手の商社や販売店であっても品薄となりがちです。欠品するということは、輸入元の供給が断たれたことを意味しますので、次回の入荷は未定となることがほとんどです。
もちろん自社工場が中国にあれば、自分の工場への輸出を優先することができるので、欠品する確率も最小限に抑えることができます。
ステンレス製品の依頼はフィリールに。価格交渉大歓迎
弊社フィリールはベトナムに切削工場を、中国に部品生産工場を携えています。そのため、上述したように商社を介さないで直接ステンレス製品や素材を輸入することができるので、安定した価格と仕入れを実現しております。
ステンレス製品の加工依頼を工場にしたい企業担当者は、是非一度フィリールにご相談ください。