ステンレス製品を図面から完成・生産へと計画する場合は、多くのケースで試作加工を実施します。試作加工は製造業者によって取り扱い方が大きく異なる他、メーカーからすると余計なコストがかかってしまうこともよくあります。弊社フィリールは試作加工から生産までトータルでご提案し、低コスト・低予算を実現する切削工場です。
目次
ステンレス切削時の試作加工業者の選び方
メーカーが製品を図面から完成品までの加工を製造業者に依頼する場合は、一般的に試作加工をして出来栄えを確かめます。完成品の確認だけではなく、トータルでかかるコストも算出することができますし、試作した加工工場の技術や担当者のコミュニケーション能力も同時に計ることが可能です。
特にステンレスはありふれた金属素材でありながら、技術者のスキルが育っていない工場にとっては難削材としても知られています。また、近年は世界的な金属価格の高騰を受けて、ステンレスも通常の1.5~3倍以上に価格を上げています。
切削加工は高精度な加工が可能な重要な工程の1つですが、切り屑が発生する分、生産となるとコストパフォーマンスが重要視されます。ステンレス切削の技術が低い工場に依頼してしまうと、不良品の発生率や人件費、機械チャージを高く見積もりに上乗せして、相場よりも高額な料金を請求してくるところもあります。
試作加工といえば製品の完成度の有無に注視しがちですが、実際はメーカーからすると「切削加工業者の選別」の場であると考えるといいでしょう。
「生産もうちに依頼しないと試作は請け負わない」という業者の背景
基本的に試作品というのは、工場からすれば手間と時間ばかりかかってしまう費用対効果が著しく低い案件となります。メーカーからすると、製品の開発は社を上げた一大プロジェクトですが、工場からすると、試作品加工だけであれば、利益は数千円程度しかありません。そのため、メーカーが試作品加工後の本生産も依頼する約束ができないのであれば、致し方無く断る工場も少なくありません。
また、本生産を請け負えるか分からない状況で依頼を引き受ける工場には、通常の20倍以上の見積もりを提出して「この金額でも良ければステンレスの試作加工を請け負うよ」というところもあります。
ちなみに工場によっては「試作加工無料」と謳うところがありますが、これはあくまでも加工代が無料というだけで、ステンレスなど試作加工に使用する素材費は実費請求します。また、度重なる打ち合わせを実施する際も出張費という名目で経費請求しますので、完全に無料で試作加工を請け負ってくれるわけではないことは覚えておいてください。
一気通貫でステンレスの試作加工を依頼するか否かでコストが変わる
ステンレスは上述したように2021年より価格が急騰しています。母材の調達方法は切削工場によって大きく異なり、日本の商社や販売店から購入している工場は、やはり仕入れ値が高いため、メーカーに出す試作加工の見積もりにも影響してしまいます。
また、切削はA工場、板金はB工場、表面処理はC工場のように試作加工工程別で業者を変えてしまうと、返ってコストと手間は高くついてしまいます。そのため、ステンレスの試作加工を切削工場に依頼する場合は、打ち合わせの段階で切削工場の協力工場の情報もなるべく多く収集しておくといいでしょう。ただし、切削工場の担当者が信頼できるのであれば、丸投げしてもかまいません。
試作加工のマッチング業者はおすすめできる?
昨今は試作加工のマッチング業者も増えてきました。メーカーがマッチング業者に依頼すると、業者は登録されている数百の工場をピックアップして、「切削加工はA工場、製缶はB工場……」とあてがい、完成まで一気通貫で引き受けます。
しかし、これには落とし穴があります。あてがわれた加工工場は地域や特徴はまったく異なりますし、工場同士の関係は皆無のため、切削加工工場としてはその他の加工も一気通貫で引き受けることはできないので、高い見積もりを出さなければなりません。
しかし、高い見積もりだと依頼主には選んでもらえないですし、マッチング業者からの圧力もあるため、仕方なく安い見積もりを出さなければなりません。
メーカーと工場がwinwinの関係構築で製品化を目指す
このような契約であれば、工場はいい製品を作ろうという気にはなりませんよね。本来メーカーとサプライヤーはお互いがwinwinの関係を築いて、はじめて良質な製品を開発することができます。そういった関係性などを度外視して見積もりだけで決めるようなマッチング業者の利用は、あまりおすすめはできません。
ステンレス切削の加工はフィリールにお任せください
弊社フィリールはステンレス切削において豊富な実績を持ち、また、ベトナム・中国・韓国の三ヵ国で母材の調達が可能となります。試作品は大阪本社工場で加工し、本生産及び量産の段階ではコスト削減のため、ベトナムや中国で加工することも可能です。
「まだ本生産も依頼できるか分からない」というメーカーや調達担当者に対しても柔軟に対応及び最善の提案をさせていただきます。まずはお問い合わせください。