大阪でステンレスの切削加工を工場に依頼することを考えている法人担当者の中で、「最近はコスト高で困っている」、「いつもの取引先が値上げを要求してきた」と悩んでいる人は、是非今回ご紹介するコストダウン化のポイントをご覧下さい。大阪のフィリールはステンレスの切削加工に特化した製造業です。
目次
- ものづくり都市の大阪。金属加工業者は全国一
- 需要の高いステンレス。アルミとの違いは
- ステンレスが表札に使われる理由
- 2022年以降もステンレスの高騰は続く。大阪の加工業者も苦境に
- ステンレスに強い業者を探そう。町工場によっては高値のところも多い
- 大阪でステンレスや金属加工の個人の持ち込みは可能?
- ステンレスステンレスが難削材と呼ばれる理由
- 大阪でステンレスの切削加工業者を選ぶポイント
- ステンレスの切削加工専門の業者は避けるのがおすすめ
- 大阪のステンレス加工業者にコストダウン化を依頼するポイント
- 大阪でステンレスの切削加工業者を探す場合は相見積もりがおすすめ!
- 大阪でステンレス加工のオーダーメイドならフィリールにお任せください
ものづくり都市の大阪。金属加工業者は全国一
ものづくり都市と古くから言われている大阪。年間出荷額は愛知県に次いで全国2位。金属加工の事業所の数は全国1位となっています。
そのため、メーカーを中心とした多くの企業が金属の切削加工を依頼する際は、まずは大阪で有名な工場をネットで探します。新型コロナの影響はまだ色濃く残りますが、それでも年々生産高は回復しており、メーカーとの需給のバランスも戻りつつあります。
需要の高いステンレス。アルミとの違いは
ステンレスはすべての金属素材の中でも取り分け需要が高い種類の1つですが、よく「アルミと何が違うの?」という質問を受けます。
分かりやすいところでいえば、ステンレスは水筒によく使われますね。これはステンレスが熱伝導率が低いため、熱が外に逃げにくい性質を利用したものです。その一方でアルミがよく使われている日用品の中でヤカンがあります。アルミは熱伝導率が高いため、アルミのヤカンはすぐに沸騰してくれます。
ステンレスとアルミは、一見すると似たような金属ですが、実は目に見えない性質の部分で大きく異なる点があります。
価格は若干だがステンレスが高価
価格はステンレスがアルミよりも若干ですが高値となります。一番安いのが鉄だとしたら、次いでマグネシウム、そしてアルミ、ステンレス、銅、チタンといった順番に価格が上がっていきます。
ステンレスの切削加工には技術が必要!難削材も多い
ステンレスは冒頭でもお話したように、金属加工において非常にありふれた素材となります。しかし、その一方で難削材とも言われており、特に切削加工においては、ステンレスを専門とした工場も多くあるほどです。
そのため、ステンレスの切削加工を工場に依頼したい場合は、単に金属加工全般を請け負っているところではなく、ステンレスに強みを持っている工場を探すのがおすすめです。大阪にはステンレスを得意とする製造業がたくさんあるので、まずは幾つか問合せをして、予算や納期、技術面を確かめてみるといいでしょう。
ステンレスは錆びにくく光沢がある
ステンレスもアルミも双方とも錆びにくい性質を持っていますが、どちらかというと、ステンレスの方がより錆びにくいと言えます。ステンレスは鉄とクロムの合金ですが、表面に酸化膜があることにより、アルミよりも錆びにくくなります。仮に傷がついても、酸化膜は再び表面を覆うので、腐食の耐久性も非常に高いことが特徴として挙げられます。
ステンレスが表札に使われる理由
上述したようにステンレスは錆びにくいため屋外でよく利用されます。また、美しい光沢があるため、会社や個人宅の表札の金属素材にもしばしば使われます。ただし、ステンレスが錆びにくいといわれるのは、あくまでも他の金属素材と比較しての話であって、潮風に長期間あたったり、経年劣化による錆びは発生します。会社の表札はブランディングにも関わるので、傷や錆び、光沢が鈍くなってきたら、速やかに取り換えをすることをおすすめします。
2022年以降もステンレスの高騰は続く。大阪の加工業者も苦境に
新型コロナも大分落ち着いてきましたが、2022年初頭より米国の利上げ、およびロシアのウクライナ侵攻によって再び世界経済は低迷を始めました。ロシアのエネルギー供給停止によって、ご存じのように世界的に燃油不足に陥り、物流価格の高騰が大きく目立ちます。
さらに米国の利上げとそれに伴う日本円の独歩安が原因となり、原材料の調達価格が高騰し、日本製鉄や日立金属など大手も2割ほど価格を上げています。コロナによる需給は戻りつつありますが、ご覧のように価格が高騰しているせいで、再び悩んでいる調達担当者は多いことかと存じます。大阪は古くからものづくりが盛んで、低価格でステンレス加工を請け負う業者も多くありましたが、そういった大阪の下町工場も軒並み値上げをしているのが現状となります。
ステンレスの需要は年々増加。価格の値下がりは難しいかも
おそらく多くの人は「ステンレスや金属素材の仕入れ価格が上がっているのはいまだけ」、「円安やロシアウクライナ問題が落ち着いたら再びコロナ前の価格に戻るだろう」と考えていることでしょう。
しかし、おそらく世界情勢が元に戻っても、以前の価格に戻るのは難しい見方が強いのが現状です。もともとステンレスの需要は新型コロナ以前から増していて、2019年と2022年を比較すると、世界需要は1割以上増加しています。また、世界的なインフレが落ち着いても、これまでの価格に再び値段を下げることはサプライヤー、物流、商社ともに考えにくいのではないでしょうか。
ステンレスに強い業者を探そう。町工場によっては高値のところも多い
また、ステンレスは切削加工からすると難削材となりますので、たとえ仕入れコストは安くとも、業者によっては“引き受けたくない”素材とみなされることがあります。その場合は、見積もりを高くして高値で迫るところもありますので、安易に発注しないようにしなければなりません。
大阪でステンレスや金属加工の個人の持ち込みは可能?
大阪でステンレスを含む金属加工依頼を個人で工場に持ち込むことは可能なのでしょうか。まず、個人の持ち込み依頼を工場側が受けるか否かは「工場による」というのが本音です。使っていない工作機械があったり、技術者が暇をしている・手持ち無沙汰の場合は、簡単な切断や穴あけ程度であれば引き受けてくれるでしょう。ただし、高価な工作機械を使わなければならない場合や、目視では難しい精度を求める場合は、1個2個の依頼だと断るケースも多いですし、引き受けたとしてもかなり割高となる場合があります。
個人がホームセンターに持ち込んで金属加工を依頼できるかどうか
木材や金属加工に必要な材料や工具が気軽に手に入るホームセンターも、昨今は切削業者と提携してある程度の加工を請け負うサービスを提供している店舗もあります。ただし、木材の加工であればまだしも、金属加工はステンレスも含めて少々難しいのが現状です。金属素材は木材よりも高いので、一度でも加工に失敗してしまったら赤字になってしまいますので、個人の依頼はあまり引き受けたがらないのが業者の本音。ホームセンターに持ち込んでも金属素材の加工依頼は難しいかもしれません。
ステンレスステンレスが難削材と呼ばれる理由
では、なぜステンレスは難削材と呼ばれているのでしょうか。
下記では代表的な2つの理由をご紹介します。
ステンレスは熱伝導性が低い=工具が傷むためコスト高の要因に
上記でステンレスとアルミの違いを紹介した際に触れましたが、ステンレスは熱伝導性が悪く、これは切削加工からすると、切削時に熱がこもってしまうリスクがあります。
熱がこもってしまうと、工具が傷み、工具だけではなく工作機械の寿命も縮める要因となります。そのため、ステンレスの切削加工依頼を日ごろから受注していない工場の場合は、工具や工作機械の寿命を縮めてしまうため依頼を断るケースもあります。
加工硬化に対応しなければならない
加工硬化というのは、切削加工後にステンレスが硬化してしまうことを指し、オーステナイト系でしばしば発生します。
加工硬化が発生すると、硬くなる分、脆くなってしまいます。また、加工硬化を起こさないためには、技術者がこれまでの経験から蓄積した「加工硬化を起こさせない条件」を用いる必要があり、これを知らないと、難削材であるステンレスの切削加工はできないと言っていいでしょう。
大阪でステンレスの切削加工業者を選ぶポイント
続いては大阪でステンレスの切削加工工場を実際選ぶにあたってのポイントをご紹介します。くれぐれも一括見積サイトのようなサービスを使って、値段だけで業者を決めないようにしてください。
ステンレス加工に特化した工具を持っている
上述したように、ステンレスは切削業者にとっては難削材で、複雑な切削になれば、それだけ器具の寿命を縮めます。そのため、ステンレス加工をする際は、ステンレスの切削のみに使う、専用の表面処理を施した器具を使用するのが一般的です。
もちろん普通の器具よりも高価ですが、切削を生業としている工場にとっては欠かさないアイテムであり、これがない「器具にケチっている工場」はあまりいい印象は抱きません。
ステンレスの切削加工専門の業者は避けるのがおすすめ
よくホームページなどで見かける「ステンレスの切削を専門です」というPRの業者は正直いうとあまりおすすめできません。このような業者は、
1.多くの工作機械を置かない小工場
2.切削に対して長年の実績と経験、知識を持つ技術者が不在
3.最新の工作機械を取り入れることを恐れ、汎用旋盤などで手作業で行う
ような業者が多い印象です。今の時代は合金を含めて本当に金属素材の種類は増えており、それらに対応できない業者は、むしろ危ういと感じられます。
大阪のステンレス加工業者にコストダウン化を依頼するポイント
大阪で有望そうなステンレスの切削加工業者を複数社ピックアップしたら、早速すべての工場担当者と打ち合わせをして、工場側の対応を見てみましょう。見積もり料金だけでは測れない工場側の実力を見て取ることができます。
図面の作成だけではなく設計に関する提案をしてくれる
基本的に受け身の切削加工工場はおすすめできません。工場側が図面に関して一切関与しない、ということは、言い換えれば「何か不具合がおきても自分たちは一切責任をとりません」ということです。メーカーが設計した図面は確かに工場側があまり物申す必要がないほど完璧なケースがほとんどですが、その一方で、自分たちの所有する工作機械や器具を考えると、少し図面を作りなおした方がいい場合もよくあります。また、企業によっては「本当にこの精度が必要なのか」、「指定された工作機械を使うには不釣り合いの切削(オーバースペック)」といったこともよくあります。
このような問題はすべてコストに関わりますので、黙っていないで積極的に提案する工場は、往々にして自分たちの仕事に誇りを持っている優秀な技術者が多く在籍しているものです。
試作品後の量産の話までする
試作品はどうしても単価が高くなりますので、量産のコストの数十倍かかるのが普通です。そのため、試作品を安く見積もってほしい、といわれたら最大限対応はしますが、どの工場も身を切る思いで値下げしていることは念頭に入れておいてください。
その一方で「うまくいったら量産もお願いしたい」、「量産の場合は1万個を発注したい」といった量産を視野に入れた話ができれば、やはり工場側は気合を入れて試作品にも取り掛かります。メーカー側からすると打算的な工場で良い印象を持たないかもしれませんが、winwinの関係を築くことが理想の切削加工を成功させる一番重要なポイントとなります。
仲介業者を入れないでステンレスの第三国からの仕入れルートがある
ステンレスの仕入れは、どの工場も基本的に下記のいずれかの手段を用いて調達します。
1.中国を中心とした第三国から仕入れる
2.日本国内の販売店から仕入れる
もちろん仕入れ単価が安いのは1.の海外輸入です。海外にツテがない工場は日本の販売店から高値で購入するしか方法がありません。ちなみに日本の販売店は海外工場から直接仕入れるのではなく、日本の商社を通して調達するのが一般的です。
ここで重要となるのは工場側が自社で中国からステンレスを調達しているといっても、ほとんどの工場は、日本語が話せる中国人もしくは日本人がいる中国の販売店を通して買っています。この場合は、相手は日本企業が占める売上比率が高いため、そこまで単価は下がりません。一番いいのは地元密着型の卸業者から購入している工場を探すことです。
創業数十年の老舗はコスト高となる
「創業60年の老舗の切削加工業」といった謳い文句も見かけますが、老舗の場合は現代の調達ラインに付いていけていないため、大抵は古くから付き合いのある業者からステンレスを購入しているため、仕入れコストは大分高いのが実情です。
また、技術者の切削スキルは申し分ないのかもしれませんが、現在はNCやマシニングセンタ、複合加工機、5軸加工機など、プログラミングで座標を打ち込むのが普通です。老舗の工場では、プログラミングができる技術者がいない、もしくは知識とスキルが不足しているケースが多いです。
大阪でステンレスの切削加工業者を探す場合は相見積もりがおすすめ!
大阪でステンレスの切削加工業者を探す際は、必ず相見積もりをとるようにしてください。ただし、今回ご紹介したように、価格だけで決めると、「いつまで経っても納品されない」、「規格不良で何度もやり直し」、「後からよくわからない金額を請求された」といった重大なトラブルもあるかもしれません。
まずは業者に問い合わせをして、工場の仕入れの様子や担当者の人となりをうかがうのも、依頼主にとっては重要なレギュレーションの1つとなることを覚えておきましょう。
大阪でステンレス加工のオーダーメイドならフィリールにお任せください
大阪でステンレス加工のオーダーメイドを希望される調達関係者は、弊社フィリールにご相談ください。フィリールは大阪府守口市に拠点を置く製造業で、図面作成から切削、表面処理と製品化までの工程を一気通貫で請け負うことができます。
量産にも積極対応しており、日本の大阪本社とベトナムのホーチミン工場にて受注できるほか、1万個から10万個以上の部品生産であれば中国工場も活用します。
製品化までのすべての作業工程の一本化のお手伝いをします
ステンレス加工問わず、金属であればあらゆる素材と加工に対応しているのが弊社の強みとなります。
1つの製品を作る場合、調達担当者は多くの工場と契約をして、すべての工場の進捗を管理しなければなりません。しかし、製品に求められる精度や責任は年々増しているため、一人の担当者が工程から品質まで管理するのは現実的ではありません。
弊社では製品の作業工程をすべてお引き受けできるだけではなく、進捗工程管理まで責任をもってお引き受けしますので、調達担当者の作業効率を大幅に上げることができます。