金属加工の切削を請け負っている製造業の多くは樹脂の切削も加工することができます。弊社フィリールも樹脂加工の実績と経験が豊富で、日々全国の企業・メーカーからお問合せをいただきます。
樹脂の調達から切削加工まで一貫して請け負うことができるので、現状の取引先からさらにコストダウンを希望している人や、樹脂の買い付けを依頼したい企業も是非ご相談下さい。
目次
フッ素樹脂と樹脂の違いとは?
樹脂の中でもフッ素を含んだ種類はフッ素樹脂と呼ばれ、身近で言えばフライパンに加工されていますね。テフロンとも呼ばれていますが、テフロンという名称はデュポン社の商標であり、企業によっては別の呼び方で同じ性質のフッ素樹脂がフライパンにコーティングされています。
しかし、フッ素樹脂は工業部品・医療部品など幅広い分野で活用されていて、需要は年々右肩上がり。生産が追い付かず2021年頃から価格が高騰している背景もあります。
フッ素樹脂の種類はどんなものがある?PFAやPTFEとは?
フッ素樹脂といっても種類はたくさんあり、PTFEやPFAはその代表として知られています。フッ素樹脂の種類によって特徴や性質が異なり、求められる業界や分野も大きく異なります。
フライパンに使われるフッ素樹脂「PTFE」
フライパンに施されるテフロン加工は、このPTFEが主流となります。フッ素樹脂の中でも最も需要が高く、全体の6割以上を占めていると言われています。熱は260度まで耐えることができ、耐食性も高いため腐食することもほとんどありません。他の化合物によって化学変化もしないため、あらゆる分野で使われています。
耐候性が高く屋外で需要が高い「ETFE」
ETFEは紫外線や太陽光でも変化しない耐候性に優れており、コンピューター内部の配線や農業フィルムなどによく使われています。常用耐熱温度は150度前後となるのでPTFEのようにフライパンへの加工には使えませんが、耐食性・耐摩耗性ともに優秀となります。
耐薬性に優れる「PFA」はチューブとして高い需要を誇る
PTFEと並んで需要の高いフッ素樹脂がPFAと呼ばれるものです。耐薬性が非常に高いため、医療機器の部品や医療器具によく使われます。使用用途としてはチューブ状にして液体を流し込むための需要が高く、こちらも耐薬性・耐食性が高いため、チューブ状で液体との化学反応や腐食の心配がありません。
プラスチック・汎用樹脂との違いは?
人々の生活に密着している「プラスチック」と呼ばれる樹脂は、安価に入手できる汎用樹脂となります。汎用樹脂にもいくつか種類がありますが、ポリスチレン、HDポリエチレン、LDポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルの5つを5大汎用樹脂と呼んだりします。
プラスチックは天然樹脂と合成樹脂があり、一般的に普及しているのは合成樹脂になります。合成樹脂には数多くの原料があり、その内の蛍石で作られるのがフッ素樹脂となります。そのためフッ素樹脂もプラスチックの1つと言うことができます。
樹脂加工の切削とは
樹脂と言えばプラスティックが代表ですが、プラスティックは厳密には合成樹脂と呼ばれるもので石油を原料にしています。さらに合成樹脂には「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2つに分けることができ、熱硬化性樹脂は一度成形したら元に戻すことはできません。
一方、熱可塑性樹脂はイメージの通り熱に溶けて変形しやすく、冷えると固まります。世間一般に出回っているプラスティックのほとんどが熱可塑性樹脂となります。
しかしこれらの2種類の樹脂加工も10種以上の樹脂素材があり、それぞれ性質が異なるので、切削時には樹脂の特性をよく理解しなければなりません。
樹脂の切削加工は難易度が高い理由
樹脂の切削加工は金属と同様に難易度が高いとされています。上述したように樹脂は熱に弱いので、切削のときに発生する工具の熱によって膨張してしまうので、それが原因で依頼主が求める精度を保つことが困難となります。そのため、技術者は切削する前に膨張と硬化、収縮による誤差を把握して対策をする必要があります。
樹脂といっても加工素材は「塩化ビニル」、「アクリル樹脂」、「ポリカーボネート」、「ポリアミド」、「フッ素樹脂」などがメインとなり、日用品、店舗装飾材から工業用製品まで幅広く使われています。しかし、樹脂の切削加工をすると、「製品に傷がつきやすい」、「切削したあとに”濁り”が生じてしまう」、「高精度が出にくい」といった難点があります。
そのため、これらの樹脂を切削する際は、一つの工作機械だけではなく、旋盤やフライスといった複数の切削機械を使いこなして加工をする必要があります。
樹脂加工の切削精度・公差はどのくらいが目安?
樹脂は上述したように、柔らかく伸びる性質があり、また切削や旋盤加工後にも変形することがよくありますので、金属加工と比較すると、精度及び公差はかなり余裕を持つ必要があります。精度は具体的には±0.01台ならば可能、という印象でしょうか。
ただし、これも工作機械や工作機械を設置している環境、切削加工をする技術者によって大きく変わってきますので、実際は試作品を作って判断という流れが普通です。
樹脂製品や部品の場合は、そもそもそこまでの厳しい精度や公差を求めることは少ないので、工場側はあまり心配はしていないケースがよくあります。そのため、医療機器や半導体など一部で精度を求める樹脂加工が必要な場合は、依頼する工場の樹脂加工の実績をよく確認するといいでしょう。
精度を求める樹脂加工を成功させるポイント
上述したような±0.01mm台といった精度を樹脂加工に求める場合は、ものづくりが盛んな大阪であっても、しっかりと依頼する業者は見極めなければなりません。
高い精度の樹脂加工を成功させるコツとしては、工場の設備投資だけではなく、温度管理をしっかりと行っており、また公差の測定器があることも必須です。乱雑に加工器具が置かれていたり、パッと見て工作機械のメンテナンスや整備が疎かになっているような工場では到底高い精度の樹脂加工を成功させることはできないでしょう。
大阪で樹脂の切削加工業者を探すのは難しい?
大阪は昔から数多くの樹脂や金属の加工工場が存在しています。親子2代で町工場を続けている人も多いですし、一代で海外進出まで果たすやり手社長も少なくありません。
品質の高い加工を求めるため、大阪で樹脂の切削業者を探すのは理にかなってはいますが、製作所の数が多いからこそ、業者の選定は時間をかけて吟味しなければなりません。
大阪の樹脂加工工場も実は品質・サービスはさまざま
日本は古くから部品製作にかけては世界トップの技術を誇示していますが、それでもすべての樹脂加工工場が品質のいいサービスや加工を提供してくれるわけではありません。
特に昨今は年々部品が小型になっており、それだけ求められる加工精度も上がり、厳しい公差を要求されるようになりました。
高い精度を切削で出そうと考えると、それに比例した高価な工作機械が必要となります。補助金等もありますが、ビジネス交渉に疎い町工場の技術者の社長だと、なかなか現代のニーズに則した機械を整備することができなくなっているのも現状の1つです。
また、日本では数多くの製作所が全国にあり、それでいて近年の景気は決して良いとは言えません。調達価格・物流価格・電気代の高騰等が相次ぎ、1000万円を超す工作機械を整備しても割に合わないケースも散見されます。
大阪で樹脂の切削加工業者を探す際のポイント
大阪及びその近郊で樹脂の切削からその他加工業務を工場に依頼したいメーカー担当者は、以下の点に気を付けて交渉をしてみてください。
1.量産・数物の実績が豊富な大阪の切削加工業者を探す
樹脂を切削加工する製品の多くは日用品や医療器具、半導体の部品であり、試作を経たのち、量産化が目的となるケースが多いです。大阪にある多くの切削工場は「樹脂の量産・数物も大歓迎です」と謳っていますが、実際は量産の実績が乏しく、また量産といってもせいぜい1000個単位で、メーカーが希望する1万個、あるいは10万個レベルの量産は外部と提携することがよくあります。
当然自社で賄えない場合は見積費用は高くなりますし、量産にありがちの見た目では気づかない僅かな誤差による不良も出やすくなります。
2.工場独自の輸入販路を築いている大阪の切削加工業者を探す
工場が加工素材を調達する際は、①通販含む販売店から調達、②第三国から購入、③商社経由で大手から購入などが一般的ですが、昨今日本で求められているPCTFEやPFAといったフッ素樹脂の一部は、新型コロナの影響を受けて日本国内に出回る量が限りなく少なくなっています。
大手でも販売停止をしているのが現状ですし、価格も不安定です。そのため、フッ素樹脂の切削加工を大阪で探しているのであれば、主な輸入先となる中国と独自のパイプを持ち、直接仕入れている工場を探すのがいいでしょう。
3.提案力を備えている大阪の切削加工業者を探す
大阪には数多くの樹脂の切削加工を請け負う工場がありますが、工場によって整備している工作機械や台数は異なります。また、技術者のスキルも異なれば、当然仕上がりの度合いやスピードも変わってくるので、依頼者が想定している納期や予算と大きくずれる可能性も考慮しなければなりません。
そして、切削加工業者に求められるのは「依頼者の要望に沿う提案力」です。依頼者が希望する納期や予算をうかがい「それはうちでは無理だよ」、「そんな予算じゃ安くて請け負えないよ」と印象時点で断ってくる大阪の業者はおすすめできません。「この切削方法をもっとシンプルにすればコストが安くなるので予算内で済みます」、「本当にこの素材と公差が必要なのでしょうか。同じスペックを持つ別の素材であれば納期を守ることができます」といった工場からの技術的な提案があって然るべきです。
樹脂の切削加工。フィリールなら低コスト化が可能
フィリールでは樹脂の切削を低コストで量産加工することができます。樹脂加工は金属加工と異なり工具の擦り減りが少ないため、切削にかかる経費が金属ほどかからないのと、摩耗が少ない=高い精度で量産を維持することができます。
高精度のフッ素樹脂の切削加工が可能
樹脂やフッ素樹脂は押出成形や射出成形が一般的ですが、フィリールでは長年培った経験により、小ロット大ロット関わらず切削加工を請け負うことができます。
射出成形の場合は金型のコンディションによって徐々に精度が低下することが懸念されるため、一般的に量産は推奨できても高精度な部品はおすすめできません。
医療・バルブ・半導体などフッ素樹脂や樹脂の需要が高い分野も年々ハイテク化が進んでおり、より一層高い精度が求められるようになりました。フィリールでは最大限顧客の要望に沿った切削を可能としております。
樹脂加工の精密部品にも対応
樹脂加工では多くのケースで金型を使います。これまで樹脂部品にはあまり精度が求められなかったためですが、昨今はデジカメ・スマホ・医療機器・自動車といった業界で精密部品が求められるようになり、射出成型では実現できない精密加工が必要となりました。
そのため、近年は金属加工を主とした製作所の中にも樹脂の切削加工を積極的に受注する工場も増えてきており、弊社フィリールもその1つとなります。
フッ素樹脂の加工品・加工実績を確認する
フッ素樹脂の切削を加工業者に依頼するときは、必ず「フッ素樹脂の加工実績が豊富な工場」を探すようにしてください。フッ素樹脂はPTFEにしろPFAにしろ、切削加工を行うと大量に切り屑が発生し、工具に癒着することが良くあります。寸法精度を要求される場合は、温度による弾力や反りが生まれやすいため、単に実績があるだけではなく、しっかりと工場内部の加工環境が整っているところに依頼するのがおすすめです。
フィリールはどんな樹脂でも独自の販路で調達できるのが強み
フィリールの代表は中国の1万平方メートル以上の敷地を持つ部品生産工場の取締役副社長であるため、どんな樹脂素材であっても1万個、10万個単位で調達することができます。昨今のコロナ事情を鑑みて、フィリールでは樹脂素材の調達体制をより強化しており、大手商社でも仕入れできないPCTFEやPFAといったフッ素樹脂素材(丸棒)も潤沢に取り揃えています。
他社で断られた案件も請け負うことが可能
樹脂素材の中にも「難削樹脂加工」と呼ばれる難易度の高い加工があります。フィリールでは長年培った樹脂加工のノウハウをもとに、他社では断られてしまった案件についても請け負うことができ、さらに低予算・短納期にも対応することができます。樹脂素材の調達から図面の設計、見直しの提案、切削・旋盤加工、表面処理に至るまで、製品化までの道のりを一貫して請け負うことができます。
まとめ:フッ素樹脂の調達や切削のことならフィリールへご相談を
今回ご紹介したように、弊社フィリールはフッ素樹脂の安定的な調達が可能となります。また、切削やパッキン加工であれば、弊社工場でも小ロットから請け負うことができます。「いつも買っているところから仕入れできなくなったので、別の販売店を探している」という企業担当者は是非一度フィリールへご相談ください。