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MCナイロンとジュラコンの強度の違いを徹底比較|材料選定ガイド

2025.08.25(Mon)

樹脂加工

MCナイロンとジュラコンの強度の違いを徹底比較|材料選定ガイド

機械部品や精密部品の素材としてよく使われるMCナイロンとジュラコン(POM)。
どちらもプラスチック材料として高い耐久性を持ちますが、設計や用途によっては「どちらを選ぶべきか」が重要な判断ポイントになります。
特に「強度」という観点は、部品の寿命や耐荷重性能に直結するため、MCナイロンとジュラコンの違いを理解して正しく選定することが不可欠です。
この記事では、MCナイロンとジュラコンの基本特性から強度比較、加工上の注意点、用途例までを徹底解説します。


目次

  • 1. MCナイロンとジュラコンとは?基本知識・定義
    • MCナイロンとは
    • ジュラコン(POM)とは
    • 強度の概念
  • 2. MCナイロンとジュラコンの特徴・メリット・デメリット
    • MCナイロンの特徴
    • ジュラコンの特徴
    • 強度比較(代表値)
  • 3. 種類・分類と強度特性の違い
    • MCナイロンの種類
    • ジュラコンの種類
    • 強度差の整理
  • 4. 温度特性と環境適応性
    • 温度依存性の詳細比較
    • 化学的耐性・環境適応性
    • 疲労特性と長期信頼性
  • 5. コスト比較と経済性
    • 材料コスト
    • トータルコスト評価
  • 6. 加工技術とトラブルシューティング
    • 推奨加工条件
    • よくある加工トラブル
  • 7. 品質管理のポイント
    • 受入検査項目
    • 使用中の劣化診断
  • 8. 関連規格・認証
    • 適用規格
    • 食品・医療用途
  • 9. 他材料との位置づけ
    • エンジニアリングプラスチック比較
    • 金属からの置き換え検討
    • カーボン繊維強化グレード
  • 10. 選び方・使用上の注意点
    • 材料選定のポイント
    • 使用上の注意点
  • 11. MCナイロンとジュラコンの導入事例・具体例
    • ギア・スプロケット
    • 軸受・滑り部品
    • 精密機構部品
    • 自動車部品
    • 産業機械部品
  • 12. よくある質問(FAQ)
  • 13. まとめ・次のステップ
    • 選定指針
    • 設計時のポイント

1. MCナイロンとジュラコンとは?基本知識・定義

MCナイロンとは

  • 正式名:モノマーキャストナイロン(Cast Nylon, MCナイロン)
  • 特徴:
    • 高靭性・耐摩耗性に優れる
    • 吸水率がやや高く、寸法安定性はジュラコンに劣る
  • 主な用途:ギア、スプロケット、軸受、スライド部材

ジュラコン(POM)とは

  • 正式名:ポリアセタール(Polyoxymethylene, POM)
  • 商標名:ジュラコン、デルリンなど
  • 特徴:
    • 高剛性・寸法安定性が高い
    • 吸水率が低く、耐摩耗性も良好
  • 主な用途:精密機構部品、歯車、ベアリング、カム部品

強度の概念

  • 引張強度:部材が引っ張られたときに破断するまでの力
  • 曲げ強度:曲げ荷重に耐える力
  • 衝撃強度:瞬間的な衝撃に対する耐性

2. MCナイロンとジュラコンの特徴・メリット・デメリット

MCナイロンの特徴

メリット

  • 高靭性で衝撃に強い
  • 摩耗しにくく滑り性も良好
  • 疲労亀裂の進展に強い
  • 加工性が良好

デメリット

  • 吸水により寸法変化が生じやすい
  • 高温環境での強度低下がやや大きい
  • 酸・アルカリに対する耐性が劣る

ジュラコンの特徴

メリット

  • 寸法安定性が高く、精密部品向き
  • 耐摩耗性・剛性に優れ、高荷重にも対応
  • 繰り返し荷重下での剛性維持に優れる
  • 溶剤・アルカリに比較的強い

デメリット

  • 衝撃にはMCナイロンよりやや劣る
  • 加工時に切粉が飛びやすく、工具摩耗に注意
  • 酸に対する耐性が低い

強度比較(代表値)

材料引張強度(MPa)曲げ強度(MPa)衝撃強度(kJ/m²)吸水率(%)
MCナイロン80〜90120〜14050〜702.0〜2.5
ジュラコン60〜7090〜11025〜350.2〜0.3

3. 種類・分類と強度特性の違い

MCナイロンの種類

  • MC901, MC901P, MC1010 など
    • 耐摩耗性や衝撃強化グレードあり
    • 強度や硬度を用途に応じて選択可能
    • オイル含浸グレード(MC901P)は自己潤滑性向上

ジュラコンの種類

  • ジュラコンC,ジュラコンF,ジュラコンG など
    • Cグレード:標準、機械部品向き
    • Fグレード:耐摩耗性強化
    • Gグレード:ガラス繊維入りで高剛性

強度差の整理

  • MCナイロンは衝撃強度と靭性が高く、変形に強い
  • ジュラコンは剛性と寸法安定性が高く、高荷重に強い

4. 温度特性と環境適応性

温度依存性の詳細比較

項目MCナイロンジュラコン
使用温度範囲-40~100℃-40~140℃
熱変形温度180-200℃160-180℃
線膨張係数8-10×10⁻⁵/K8-9×10⁻⁵/K

化学的耐性・環境適応性

耐薬品性

  • MCナイロン:酸・アルカリに弱い、油類には良好
  • ジュラコン:酸には弱いが、アルカリ・溶剤に比較的強い

屋外使用・UV耐性

  • 両材料ともUV安定化グレードが存在
  • 屋外用途では添加剤入りグレードの選定が重要

疲労特性と長期信頼性

疲労強度比較

  • MCナイロン:疲労亀裂進展に強い(高靭性により)
  • ジュラコン:繰り返し荷重下での剛性維持に優れる

クリープ特性

  • 長期荷重下での変形挙動を考慮した設計が必要
  • 設計安全率:MCナイロン 2.5-3.0、ジュラコン 2.0-2.5

5. コスト比較と経済性

材料コスト

  • MCナイロン:中程度(kg単価 800-1,200円程度)
  • ジュラコン:やや高価(kg単価 1,000-1,500円程度)

トータルコスト評価

初期コスト:材料費+加工費

  • MCナイロン:加工性が良く、加工コストを抑えられる
  • ジュラコン:精密加工が可能だが、工具摩耗に注意

ランニングコスト:交換頻度、メンテナンス性

  • 用途に適した材料選定により、部品寿命を最大化

ライフサイクルコスト:部品寿命×性能維持期間

  • 長期的な視点での材料選定が重要

6. 加工技術とトラブルシューティング

推奨加工条件

MCナイロン

  • 切削速度:100-300m/min
  • 送り:0.1-0.3mm/rev
  • 冷却:エアブロー推奨
  • 工具:超硬工具、シャープエッジ

ジュラコン

  • 切削速度:80-250m/min
  • 送り:0.05-0.2mm/rev
  • 冷却:切削油または大量エアブロー
  • 工具:超硬工具、適切な逃げ角設定

よくある加工トラブル

寸法不良の原因と対策

  • MCナイロン:吸水による膨張を考慮した設計
  • ジュラコン:熱による寸法変化への対策

表面粗さ改善方法

  • 切削条件の最適化
  • 工具の選定と管理
  • 仕上げ加工の実施

工具選定のポイント

  • 材料特性に応じた工具形状
  • コーティング工具の活用
  • 工具寿命の管理

7. 品質管理のポイント

受入検査項目

  • 寸法測定(吸水前後の変化確認)
  • 硬度測定(ロックウェル硬度など)
  • 外観検査(クラック、異物、色調確認)

使用中の劣化診断

摩耗量測定方法

  • マイクロメーター、ノギスによる寸法測定
  • 3次元測定機による形状評価

亀裂検出手法

  • 目視検査
  • 浸透探傷検査(必要に応じて)

交換時期の判定基準

  • 摩耗限界値の設定
  • 性能低下の許容値
  • 予防保全計画との連携

8. 関連規格・認証

適用規格

  • JIS K 7113(引張試験)
  • JIS K 7171(曲げ試験)
  • ASTM D638, D790(米国規格)
  • ISO 527, 178(国際規格)

食品・医療用途

FDA認可グレード

  • 食品接触用途向けグレードが存在
  • 医療機器への適用可能性(生体適合性確認要)

トレーサビリティ

  • 材料証明書の管理
  • ロット管理の重要性

9. 他材料との位置づけ

エンジニアリングプラスチック比較

材料特徴適用場面
PEEK高温・高性能航空宇宙、化学プラント
PPS耐薬品性電子部品、自動車
PA66汎用性一般機械部品
MCナイロン/ジュラコンバランス型機械部品全般

金属からの置き換え検討

アルミニウムからの置き換え

  • 軽量化、絶縁性、コスト削減効果
  • 強度要件との適合性確認

ステンレスからの置き換え

  • 耐食性、加工性、コスト面での検討
  • 荷重条件の詳細評価が必要

カーボン繊維強化グレード

  • 軽量化と高強度の両立
  • 異方性を考慮した設計
  • コストとのバランス

10. 選び方・使用上の注意点

材料選定のポイント

  1. 荷重・衝撃条件
    • 瞬間衝撃や振動が多い場合はMCナイロン
    • 静荷重や精密部品はジュラコン
  2. 寸法安定性
    • 吸水による膨張を嫌う場合はジュラコン
    • 高精度が要求される場合はジュラコン
  3. 加工性
    • 旋盤・フライス加工ではどちらも対応可能だが、ジュラコンは切粉管理に注意
  4. 温度条件
    • 高温で長時間使用する場合は、MCナイロンのグレード選定が重要
    • 140℃以上ではジュラコンが有利
  5. 化学的環境
    • 酸性環境では両材料とも注意
    • アルカリ・溶剤環境ではジュラコンが有利

使用上の注意点

  • MCナイロン:吸水による寸法変化に留意、乾燥保管が重要
  • ジュラコン:衝撃負荷が大きい場合、破損リスクを評価
  • グレードによって耐摩耗性や強度が異なるため、部品用途に合わせた選定が必要

11. MCナイロンとジュラコンの導入事例・具体例

ギア・スプロケット

  • MCナイロン:衝撃に強く、駆動歯車での摩耗軽減
  • ジュラコン:寸法精度が重要な精密歯車に採用

軸受・滑り部品

  • MCナイロン:摩耗に強く滑りやすい、無給油軸受
  • ジュラコン:高剛性で荷重負荷が大きい場合に有効

精密機構部品

  • ジュラコン:寸法安定性を活かし、カムやピニオンで使用
  • MCナイロン:振動や衝撃吸収が求められる箇所に適用

自動車部品

  • MCナイロン:サスペンション部品、防振部材
  • ジュラコン:燃料系部品、ドアハンドル機構

産業機械部品

  • MCナイロン:コンベア部品、チェーンガイド
  • ジュラコン:精密送り機構、位置決め部品

12. よくある質問(FAQ)

Q1. MCナイロンとジュラコンはどちらが強いですか?
A. 使用条件によります。衝撃強度はMCナイロン、剛性・寸法安定性はジュラコンが有利です。

Q2. MCナイロンの吸水対策はありますか?
A. 乾燥状態での保管、使用前の加熱乾燥(80-100℃、2-4時間)、防湿包装が有効です。

Q3. 加工での注意点は?
A. MCナイロンは切削性が良好、ジュラコンは切粉管理と工具摩耗に注意が必要です。

Q4. 屋外で使用する場合の注意点は?
A. UV安定化グレードの選定、定期的な点検・交換計画が重要です。

Q5. 食品用途で使用できますか?
A. FDA認可グレードが存在しますが、用途に応じて食品安全性の確認が必要です。

Q6. 金属部品からの置き換えは可能ですか?
A. 荷重条件、環境条件を詳細に評価し、適切な安全率を設定すれば可能です。


13. まとめ・次のステップ

MCナイロンとジュラコンはともに耐久性の高いエンジニアリングプラスチックですが、用途や荷重条件に応じて使い分けることが重要です。

選定指針

  • 衝撃・摩耗重視、コスト重視 → MCナイロン
  • 寸法安定性・精密部品、高温用途 → ジュラコン
  • グレード選定や環境条件を考慮することで、部品寿命や性能を最大化できます

設計時のポイント

  1. 使用環境の詳細把握(温度、湿度、化学的環境)
  2. 荷重条件の正確な評価(静荷重、動荷重、衝撃)
  3. 寸法精度要求の明確化
  4. ライフサイクルコストの検討
  5. 品質管理・メンテナンス計画の策定

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