最近増えている加工の問い合わせの中に「銅の旋盤加工」があります。銅といえば、トロフィーやメダルの定番でもありますし、鍋のような調度品のさいにも、ほとんど加工されずにそのまま使われることも普通にあり、身近な加工素材と言えます。もちろん熱伝導率が高いため電子機器のパーツにもよく使われますが、実は少々難ありの加工素材で、「精度を求められる銅の旋盤加工はあまり請け負いたくない」という業者も少なくありません。
フィリールでは旋盤加工を含む銅の切削加工に自信があり、中小から大手メーカーまで多数の依頼をいただいております。
目次
銅の特徴や切削加工の条件など
上述したように、銅は鍋などそのまま使ったり、銅線のような電子部品としても重宝されます。銅の金属としての特性は下記となります。
- 熱や電気の伝導率が高い
銅線や鍋に使われる理由でもありますが、銅は熱や電気を伝える伝導率が高く、また切削性が高いため小型部品などにも使用できます。銅がなければパソコンやスマホなどの電子部品は存在しないかもしれません。 - 耐食性が高い
銅といえば、昔の発掘品や古びたパイプなどで見た目がボロボロの茶色に錆びている印象を受ける人もいるかもしれませんが、もしこれが銅でなければ、錆びどころか腐食して原型をとどめていないことでしょう。銅は一般的に錆びに強く、耐食性の高い金属となります。 - 抗菌作用が強い
ドアノブなどに使われる銅は、実は抗菌作用がとても強いことで知られています。銅の持つ銅イオンが細菌を死滅、もしくは繁殖を抑止する効果があり、O157や新型コロナにも銅イオンを適用したところ、繁殖が抑えられました。>>日本銅センターHPにて
製造業の中に「銅の旋盤加工を請け負いたくない」と言う業者が多い理由
切削加工をメインとした製造業は、日ごろからあらゆる金属素材の加工を行っております。難削材と呼ばれる難しい金属素材の加工も常日頃からこなしますし、最新の工作機械を準備しているところであれば、基本は特殊金属や超難削材でもない限り受注を拒否することはありません。
しかし、銅というありふれた金属素材でありながら、工場の中には「銅の加工はあまりやりたくない」、「精度を求められる銅のパーツ加工はちょっと見積もりを高く設定している」というところが実は少なくありません。
しかし、銅というありふれた金属素材でありながら、工場の中には「銅の加工はあまりやりたくない」、「精度を求められる銅のパーツ加工はちょっと見積もりを高く設定している」というところが実は少なくありません。
銅は仕入れ単価が高い!
その理由の1つは「素材単価が高いから」です。金属加工によく使われる素材はアルミやステンレス、鉄鋼、マグネシウム、チタンなどが挙げられますが、その中では銅は最も仕入れ単価が高い金属素材となります。例えば鉄鋼と銅を比べると、仕入れ単価はおよそ10倍近く変わります。そのため、中小の工場では「失敗できない」という強迫観念から、銅加工の切削を請け負うことに躊躇うところが多くあります。
新型コロナ以降、日本は慢性的な銅不足に陥っている
2010年より長らく続く新型コロナが発端となり、世界は輸出入が長期的に低迷しました。2021年秋頃からアメリカを中心に需要が急速に回復し、2022年以降も供給が需要に追い付いていないのが現状となります。一方で、日本に入ってくるはずの銅がアメリカや欧米に回されるといった事態も続き、日本では銅の慢性的な不足に陥っているのが現状です。そのため、銅価格が数倍に高騰し、今後も数年は続くとされています。
銅は難削材ではないが、旋盤加工技術者のスキルも必要
銅の旋盤加工はそれほど難しくはありません。切削性もいいので、銅加工の経験が豊富の技術者と質の高い工作機械が揃えば、精度の高い部品類の加工も可能です。
ただし、銅は溶着しやすいく、またバリも発生しやすく、面取りをしてはいけない製品加工の依頼の場合は、技術者のスキルだけではどうにもなりません。銅にも複数の種類がありますので、銅の種類を変えたり、旋盤の回転数の制御、切削油の変更といった経験による知識も必須となります。そのため、銅の旋盤加工を依頼する場合は、「業者の銅の旋盤加工の実績」を訊ねるのがいいでしょう。
銅の最適な切削加工方法とは
銅を切削加工は、「旋盤加工」、「フライス加工」、「穴あけ加工」などが挙げられます。
旋盤加工……素材を回転させて工具を素材に当てて削る切削方法で、フライス加工と並んで最もメジャーな加工方法となります。円筒状にしたり、円の穴をさらに広げたりする際は旋盤加工が最適となります。
フライス加工……素材を回転させる旋盤加工と異なり、工具を回転させて素材に当てて削る加工方法となります。円筒状の加工を得意とする旋盤加工に対し、フライス加工は角のある形状の加工に適しています。
穴あけ加工……学校の図工の授業でも木版をドリルで穴あけしたことがある人もいるのではないでしょうか。金属板でもドリルによる穴あけ加工が主流で、マシニングセンタなどで加工されることも普通です。
銅の旋盤部品加工を量産したい場合の注意点
銅の旋盤加工で部品の量産を工場に依頼する場合は、幾つか注意が必要です。上述したように、銅は現在原価が高騰しており、見積もり価格も高くなっています。また、切削は金型を作らないため、1つ1つ工作機械で切削する必要があります。削れば銅屑が出るので、成形よりも無駄が多く、使う銅の量も増えるため、やはり価格は上がります。
そのため、銅の切削で量産を依頼する場合は、「量産が可能な工作機械を複数台所有している」、「銅の切削方法を深く理解している」、「銅を安く仕入れる調達ルートを持っている」といった条件が挙げられます。
フィリールでは銅の旋盤加工に自信あり。量産にも対応しています
弊社フィリールは長年銅の旋盤加工の実績を積み重ねており、旋盤加工はもちろん、高精度が求められる切削加工にも最新の工作機械で対応することができます。部品パーツの量産も多数の実績があり、1万個から10万個以上の銅部品の量産も加工ですので、大手メーカーからのご依頼もお引き受けすることが可能です。まずはお問合せください。最短当日~翌日にお見積りをお作りします。