金属加工において、必要不可欠となるのが素材を加工する金属加工機。いわゆる「工作機械」です。金属だけではなくあらゆる素材を図面通りに加工することができ、製造業では必須となります。
金属加工を生業とする製造業では、どんな小さな町工場でも何かしらの工作機械は所有しています。工作機械の種類及び台数は製造業としての単純な規模にもなり、工作機械が多ければそれだけ自社でさまざまな加工を請け負うことができます。一方で「うちは板金がメインだよ」という製造業は、板金は自社で請け負えますが、それ以外の切削加工や表面処理、溶接加工などは協力してくれる他社にお願いすることになるので、その分見積もりが上乗せされる可能性があります。
工作機械は大小合わせて300種類以上!
金属加工製造業が使う工作機械は、小さなドリルといった工具から大きなマシーンまで入れると、大小合わせて300種類以上あります。ただし、一般的には「旋盤」、「ボール盤」、「フライス」、「マニシングセンタ」、「放電加工機」など10種程度に大別することができ、その中でさらに細分化される構図となります。
金属加工でなくてはならないNC工作機械とは
金属加工をするに当たって、近年はより高い精度が求められるようになりました。それだけ機械や部品の近代化が進んでいるため、部品製造装置もそれに合わせた緻密な精度が必要とされます。そこで近現代に入って導入された最新の加工設備が「NC工作機械」です。いままで手動で計算してマシーンを動かしていたのに対し、NC工作機械はプログラムを組んで、入力した計算、データに基づいて自動で工作します。これにより、人間が手を加えるより遥かに高い精度と量産可に成功しました。
NC工作機械として最も有名なのは「NC旋盤」ですが、コンピューターによって数値制御されている工作機械はその他にも、NCボール盤やNC研削盤など多岐にわたります。また、レーザー加工機の出現により、従来では加工が困難だった金属素材も加工できるようになり、日用品から自動車、航空、宇宙へと産業は広がっています。
金属加工機(工作機械)も人が管理。やはり製造業は技術者が命
今回は金属加工に必要な工作機械の基本情報をご紹介しました。
工作機械は時代とともに近代化されていますが、それでもやはり機械は機械。それを動かす人=技術者の目利きや経験によって完成度は大きく左右されます。「うちはあらゆる金属加工を自社でできるよ」という製造業であっても、ベテランの技術者がいなければお客様の満足いく完成品には仕上がりません。金属加工の業者を選ぶ際は、設備はもちろん重要ですが、それ以上にそこに在籍している技術者やスタッフを見ることをお忘れないようにしてください。