1950年代に登場したnc旋盤により、金属加工の技術は驚くほど飛躍しました。非常に高価な代物ですが、数値制御が可能になったことにより、町工場でも大手工場と変わらない品質を提供することができるようになりました。しかし、そんな高度な加工が可能のnc旋盤も万能ではありません。
弊社フィリールはnc旋盤の量産を得意とする切削業者です。高精度の旋盤加工量産をご希望の企業担当者は、是非大阪のフィリールに一度ご相談ください。
目次
nc旋盤の特徴
いままでの金属加工は技術者によって手動でメモリに合わせて切削を行っていました。しかし、人の手が加わればそれだけ寸法公差が出やすく、精度の低下が問題視されていました。
そこで登場したのがnc旋盤。nc旋盤はいわゆる数値による自動制御が可能となる旋盤です。事前にプログラムを入力することによって、切削を機械が自動で行ってくれるのが最大の特徴です。
nc旋盤のメリットとデメリット
nc旋盤のメリットは上記のように数値制御されて切削するため、プログラムさえ正確に入力することができれば、誰でも同じ加工精度を出すことができます。また、数値によって管理されているため、nc旋盤を使えば数百個から1万個単位の量産も可能となります。
しかし、その一方でデメリットもあります。nc旋盤による切削中はすべて機械が行いますので、基本は途中で止めることはしませんし、人がその場にいて監視することもありません。そのため、切削加工中にエラーが発生して加工がストップしていたり、予期せぬ不具合が起きて精度が大幅にずれてしまっていたとしても、気がつかないで加工が続けられてしまうこともあります。
そのため、nc旋盤を起動させる事前の準備は念入りにしなければなりません。
安い業者にnc旋盤を依頼するリスク
大阪には数百の町工場や製造業がありますが、見積もりの安さで業者を選んでしまうと、nc旋盤であっても精度が低下してしまう可能性があります。nc旋盤は1/1000mm以下の高精度の加工を行うことができますが、続けて金属加工を続けていると、肝心の工具が摩耗して、製品の完成度に影響を及ぼします。
また、nc旋盤の活用には高度なプログラミングが必要となりますので、慣れていないうちは何度も設定を確認、修正、見直す必要があり、返って手間がかかってしまいがちです。工具が摩耗していても取り換えなかったり、nc旋盤のメンテナンスを行っているようなずさんな管理をしている町工場は大阪にもあるようなので、業者選びは気を付けなければなりません。
小ロットや持ち込みでnc旋盤を依頼するときの注意点
切削加工は基本的に小ロットを得意とします。金型と異なり1つ1つ削る金属加工方法となるので、小規模工場では量産に対応できないところも多くあります。
一方で小ロットを旋盤工場に依頼する場合は、見積り価格には気を付けるべきでしょう。加工費用自体は変わらずとも、まとまった数量の依頼だと値引きが可能な梱包費や事務手数料などがかかってくるので、割高に感じる場合がよくあります。
近年はあらゆる金属素材の仕入れ価格が高騰していますし、ご存知のように世界的にも円は独歩安という状態なので、なかなか見積り価格からの値引きは難しいのが現状です。
また、それほど精度を求めないのであれば、nc旋盤ではなく通常の汎用旋盤で加工することも考えるべきでしょう。ロットによって納期はかかってしまいますが、割安ですし、ベテランの技術者が在籍している工場であれば、限りなくnc旋盤と同等の精度を出すこともできるかもしれません。
nc旋盤の量産は依頼者側の前準備も必要
nc旋盤の小ロット切削だけではなく、1000個、1万個単位の数物、いわゆる量産を切削工場に依頼したい場合は、依頼者となるメーカー側もある程度の前準備を行うことが、契約から納品までスムーズに物事が進む秘訣となります。
では、nc旋盤の量産を依頼するさい、依頼者側はどのような準備をしておけばいいのでしょうか。
高精度の量産を求めるなら図面が命
nc旋盤のような自動化プログラムを組む場合は、最初の数値入力が鍵となります。上述したように、旋盤加工中は工員は基本的に立ち会うことはしませんので(定期的な工具や加工のチェックはある)、仮に図面の時点で数値や公差にミスがあっても、工場側が気づくことは非常に困難です。
そのため、高精度の量産であれば、それだけ最初の図面が”すべて”となりますので、旋盤を依頼する業者と何度も打ち合わせて、意見をすり合わせながら図面の見直し、修正、作成をするのがいいでしょう。
また、業者によって得意とする切削方法が異なります。図面作成のときは業者の担当者に任せてみるのもいいかもしれません。自社でやりやすい加工ができる図面に作り直す分精度に期待できます。
また、見積りを早急に欲しい場合は、製作所のホームページに問い合わせする際にできるだけ多くの図面を送付するようにしてください。図面が具体的であればそれだけギャップの少ない正確な見積もりを作ることができます。
量産を依頼する旋盤業者の独自調査
まず、切削工場といっても、大阪だけで数多くあります。しかし、どこに依頼しても同じ品質で納品される、と言うわけではありません。特に量産の場合は規格外のものが納品されてしまうと、大きなトラブルに発展してしまいます。
そこで、メーカー担当者は依頼をする前に、独自で候補先の工場を調査するようにしましょう。基本は業者のホームページやまとめサイト、口コミサイトなどで確認することができます。
旋盤及びそれ以外の工作機械の種類
主要な切削を旋盤で行うにしても、一つの部品や製品を加工する際は、旋盤以外でもさまざまな加工機を使うことになります。nc旋盤以外でも穴あけ・フライスはもちろんのこと、5軸加工機があれば、1度に複数の工程及び複雑な切削が可能なので、より高い精度で量産を行うことができます。
そのため、まずは工場の旋盤加工機及びそれ以外の工作機械をどの程度整備しているかを確認してみてください。
旋盤含む工作機械の台数
旋盤含む切削に必要な工作機械をどの程度整備しているかは、その工場の事業規模に依存します。
nc旋盤の台数が少なければ、1時間辺りで加工できる数量も当然少ないため、納期が遅く、また遅延が生じることもしばしばあります。
一方で台数が多い場合は、それだけの加工依頼が日々入ってくるためと言えるので、すでに7割くらいのnc旋盤は稼働して使えない可能性もあります。工場の規模が大きくなれば、工作機械のスケジュールが埋まっていて納期が遅くなることもよくあることは覚えておくといいでしょう。
量産の実績はどの程度あるか
量産と言っても数百個から10万個を超える数物まで、数量はピンキリです。依頼者が求める数量の量産加工をどれだけ過去に経験してきたかは非常に大切です。
工場側がこれまで経験したことがない量産を依頼してしまうと、「不良率が徐々に上がってくる」、「見た目は同じだが何故か規格に合うものと合わないものが出てくる」、「nc旋盤などの工作機械で原因不明のエラーが出て対処ができない」、「提携先が詰まって、切削以外の加工行程が遅れている」といった予期せぬトラブルに見舞われることがしばしばあります。
特に不良率が上がってくると、工場側も利益が圧迫されるので、「もうこの案件引き受けたくない」と思うようになり、お互い気持ちのいい取引ができなくなるおそれがあります。
nc旋盤を依頼する会社を「大阪」で探す場合
nc旋盤の加工依頼をする工場を大阪府内で探す場合は、どのような点に気をつければいいのでしょうか。
ものづくりが昔から盛んな大阪には、いまでも数多くの金属加工工場がありますが、年々精密化する部品の精度に追いついていける業者は実はそれほど多くありません。老舗と呼ばれる大阪の業者の中には、いまだ汎用旋盤を中心に加工をしているところも多くありますし、数台のnc旋盤を用いて数十個単位の少量の金属加工を請け負い続けている小規模事業者が実は多くあります。
メーカーの調達担当者がnc旋盤の加工を業者に依頼する際は、「見積もり単価」と「納期」を気にすることでしょうが、まずは上記でも紹介したように、切削工場の設備を確認して、自社の希望する精度と見積もり料金、納期を満たしてくれるのかをイメージするといいでしょう。
大阪でnc旋盤工場の担当者と直接会う必要はある?
もし調達担当者が大阪府内に居住しているのであれば、一度工場見学がてら担当者と直接会うのもいいでしょう。しかし、昨今はzoomのようなオンライン会議システムやビジネスチャットツールが盛んのため、一昔前のように「地元密着型」業者を探す必要もなくなり、全国から優良の業者を探して依頼できるようになりました。
zoomで対面で打ち合わせを何度かすれば、担当者の人柄も理解できるはずなので、直接会うことは必ずしも必要ではありません。
工場に足を運べる場合はできるだけ内部を確認する
上記でも触れましたが、切削加工は非常に繊細で、工場内部の室温や加工場所の温度・湿度も加工に影響します。工作機械がメンテナンスされていなければ思わぬ不具合が発生して納期がずれ込むことも予想されます。工具がしっかりと整理されていなく、そこらへんに散らばっているずさんな管理をしている工場はより不安です。
大阪は昔からものづくり都市として長い歴史を持つ一方で、昔ながらの気質の人も少なくありません。工場内部を確認するとともに、担当者や社長の人柄もしっかりと見ておきましょう。
どこまでの加工を依頼するのかをしっかりと打ち合わせする
nc旋盤を請け負う工場は切削業者となりますが、それ以外の板金や溶接、製缶、表面処理といった加工工程も提携工場と協力することで請け負うことができます。
少しでも見積もりを安くと考える調達担当者の中には、nc旋盤は切削工場、メッキ加工は表面処理工場……と工程ごとに加工業者と商談・契約をしている人もいます。しかし、これでは調達担当者の目に見えない手間と労力は甚大なものとなりますし、工程・納期管理を自分でしなければならないため、不良品が発生したときに責任の所在が曖昧になってしまったり、返って費用が高くついてしまうこともよくあります。
大阪府内の切削工場には、弊社フィリールのように図面から切削、表面処理に至るまで、製品の加工すべてを請け負うことができる業者もあります。数十枚に及ぶ図面を切削業者に託し、自分は進捗を管理するだけとなるので、非常に能率が高くなります。
nc旋盤業者を選ぶ基準は「材料の独自調達の有無」。加工見積もり価格に影響
上記で挙げた点を考慮して旋盤業者を探しても、なかなか選び抜けないで迷っている場合は、「旋盤業者が金属素材の調達方法」を確認してみてください。「調達方法は機密事項だから」と教えてくれない場合は、独自の調達ルートを持っていなく、卸売り業者から高値で仕入れている可能性が大です。
一方で同じ金属素材でも他社よりも安く仕入れているところは、独自ルートを確立しており、それを強みとしているので、機密事項で依頼者に教えない、なんてことはありません(むしろ会社概要やパンフレットでPRしているほどです)。
フィリールが量産に特化している理由は調達方法にあり
弊社フィリールが旋盤の量産に強い理由は、ベトナムに自社工場を有し、中国の部品生産工場の取締役副社長を兼任している、という他社にはない少々特別な事情があるからです。
ちょっと前までは脱中国などと言われていましたが、部品の調達はいまだ中国が主流で、他のアジアの第三国よりも、品質も価格も安定しているのが現状です。中国の工場ではボルト、ネジ、シャフト、空圧・油圧部品、その他精密部品を10万個レベルで生産する体制があるため、日本やベトナムで旋盤加工中に不足の事態が生じたとしても、中国で加工ができるほか、金属素材の輸出も迅速に対応できます。もちろん最初の見積もり上でも、大きなメリットを感じていただくことができるはずです。
大阪でnc旋盤の量産加工をお求めならフィリールにご相談を
フィリールは大阪に本社を置く金属加工の製造業です。図面作成から切削、表面処理まで一貫して承ることができるのが弊社の強み。nc旋盤だけではなく、マニシングセンタや5軸加工といった最新の工作機械を取りそろえているので、高い精度で量産が可能となります。大阪で高精度の切削をご希望の個人・企業の方は、是非一度フィリールにご相談ください。
余計な駆け引きはなし。ご希望の予算と納期に沿った提案を最初にします
フィリールではご希望の予算(単価)と納期に対して最善の提案をさせていただきます。もちろん相見積もりも歓迎で、弊社が高値の場合は勉強もさせていただきます。しかし、1000個、1万個単位の旋盤の量産は質と納期が本当に重要で、工場によって考え方や方向性、トラブルが起きたときの依頼者への対応がまったく異なりますので、最初の旋盤業者選びは慎重に行ってください。