金属素材における旋盤加工を製造業及び工場に依頼する場合、やはり企業・メーカーが求めるのは品質と料金(見積もり)となります。
製造業によって加工する素材や切削方法によっては得手不得手があり、それが見積もりに反映されることもよくあるため、依頼する業者選びは非常に重要となります。
そこで、今回は旋盤加工を主な切削方法として工場に依頼する場合、製造業が安く請け負える条件をご紹介します。
目次
旋盤加工を依頼する会社の選び方
旋盤加工を始めとする切削加工会社を選ぶ際は、工場の技術や設備以外にどのような要素を確認しておくのが失敗のないコツなのでしょうか。
依頼する会社の担当者の人柄も重要な要素
中小企業の会社であれば、社長が技術者出身の人が多いため、社長自ら窓口の担当になることが多いです。社長の人柄や話し方を見れば、会社の経営方針やコンプライアンスなどもうかがうことができます。
特にしっかりとルール・契約に従ってくれるかどうかは社長の性格で決まるようなものなので、大雑把な人だと少々不安がつきものです。
個人の持ち込みを積極的に引き受けているところは注意が必要
旋盤加工会社の中には、ホームページ上で個人の持ち込みを歓迎しているところも多くあります。このような会社は事業規模が小さく、整備している工作機械も少ないため、企業が求める納期に応えられない可能性があります。
数十個程度の旋盤加工であればいいのですが、100~1000個を超える量産依頼の際は納期に注意が必要です。また、個人の持ち込みを中心に引き受けている会社は、工作機械も汎用旋盤を多く揃えている傾向にあり、依頼の小回りは聞きますが、高い精度を出すのは困難な場合もあります。
ホームページだけで会社を判断するのは危険
旋盤加工会社を決める最初の手段はホームページとなります。WEB上で会社案内や対応加工、所有している工作機械など一通りは調べることができるはずです。
しかし、それらをすべて鵜呑みにしてはいけません。実績で「複合加工機で加工しました」とあっても、これだけでは自社で複合加工機を有しているのか、それとも提携先に持ち込んだのかが不明です。すでに使って欲しい工作機械がある場合は、直接その加工機を所有しているか聞いてみるのもいいかもしれません。
旋盤加工の依頼。料金は最初の図面(設計図)で決まる
旋盤加工を依頼するさい、どの業者にも最初は設計図となる図面を提出することになります。この図面は具体的であればあるほど、業者側からすると詳細な見積もりが出しやすく、また、「この部分は省いて安く提案できるな」と見積もりを安くすることができます。
一方で手書きで書いただけであったり、寸法もなくサンプル写真を添付して「これと同じように」くらいしかない場合は、業者が一から図面を作成する手間もありますし、再度依頼主と打ち合わせをする必要もあります。
料金を決める上で重要な素材・材質の選定ですが、あらかじめ指定がある場合はそれに従いますが、往々にして最初の見積もりは高くなりがちです(のちに追加料金を発生させないため)。
旋盤加工を含む切削加工は精度も大切となりますので、依頼主が公差を示してくれない場合は、旋盤といってもどの加工機を使えばいいかも悩んでしまいます。簡単に言えば汎用旋盤でいいのか、それともNC旋盤を動かす必要があるかによっても金額は異なります。当然プログラミングを必要とするNC旋盤の方が値段は高くなりますし、5軸加工機のような1台数千万円する工作機械を使うのであれば、その分「機械チャージ」がかさみます。
また、要望の工作機械を持っていないバアは、提携先の工場に持ち込む必要があるため、業者側としてはあまり引き受けたがらないので、見積もりも割高になる可能性があります。
旋盤加工を依頼する場合は、まず詳細な図面を自社で用意するのが、見積もり及び納期ともに理想の契約に至るポイントと言えるでしょう。
汎用旋盤しかない工場での加工依頼は避けるべき?
最近は少数派になってきましたが、まだまだ小さな町工場では、NC旋盤がなく、手動で加工する汎用旋盤を主力として使っているところもあります。
汎用旋盤はハンドルで操作をするので、精度の高い加工を数百個単位で作る量産には向いていません。
また、精度操作も手動のため、「同じ作業でも技術者によって精度に差が出てしまう」のが一般的な見解となります。
大雑把な精度でも問題のない加工依頼であれば汎用旋盤のみでも事足りるのですが、昨今は電子部品など部品の小型化が目立ちますので、NC旋盤を用意していない工場に依頼する場合は、自分自身が切削の十分な知識を有し、「この加工は汎用旋盤のみで大丈夫」と言い切れるケースに留めるのがいいでしょう。
半導体部品はNC旋盤加工機だけでは不十分の可能性が高い
加工部品の中でも半導体製造装置の部品や半導体部品の切削は、比較的高精度が求められます。切削工程ごとに工具や非切削物の付け替えを行う必要のあるNC旋盤加工機では理想の成果が得られない可能性もあります。
そのため、高精度を求める部品加工を旋盤加工会社に依頼したい場合は、工場が5軸加工機や複合加工機といった複数の切削工程を一度にこなせるハイスペックな工作機械を所有しているかを確認するといいでしょう。
旋盤加工は素材や加工方法で大きく見積もりが変わる
切削で旋盤加工をする場合、金属素材や切削をする精度によって見積もりは変わってきます。また、旋盤と併せてフライス加工を行うのも普通ですが、その際も硬度の高い金属を深く穴を開けたり、溝を作ったりする工程が含まれていると、途端に見積もりは高くなります。
製造業によって加工方法や使う工作機械は異なるので、もし相場より高い見積もりが提出された場合は、金属素材を選定し直したり、旋盤やフライスの加工をもう少し手間のかからない設計に修正したりするのがいいかもしれません。
「えっ、旋盤加工だけじゃ駄目なんだ」と思う方もいるかもしれませんが、基本的に切削は複数の工具や工作機械を使うのが普通となります。
目に見えない技術力や製品完成後をイメージした加工スキルが必要となるので、旋盤加工だけを自信があるとPRする業者は、もしかすると品質の高い工作機械を持っていない、もしくは精度の要求される切削は提携工場に委託する可能性があるので注意が必要です。
旋盤加工依頼は金属素材を見直すと見積り価格が安くなる!
2020年の新型コロナ、及び2022年のロシアウクライナ問題と歴史的な円安を受けて、金属素材の価格が高騰している、いわゆる「素材インフレ」が際立っています。
そのため、旋盤加工でよく使われるアルミやスチールといった材質も軒並み価格が上がっているのが現状です。。
そのため、見積もり価格が想定以上に高くついてしまった場合、上述したような図面の見直しも効果的ですが、金属素材を安価なものに変えてみるのも有効な手段と言えます。
また、「うちはアルミはたくさん在庫があるから安くできるよ」のように工場によって保有在庫や安く調達できる材質に違いがある点にも注意です。
海外工場のある製造業に旋盤加工を依頼
金属における切削といえば、NC旋盤やNCフライス、マシニングセンタが主な工作機械となりますが、昨今は中堅規模以上の製造業であれば、一通りの設備はされているはずです。
そのため、相見積もりにかけてもなかなか料金に差が出ないこともしばしばあります。
そこでおすすめしたいのが、「海外工場を持つ製造業」です。弊社フィリールはベトナムに工場を有しているのと同様に、人件費と材料費が安いアジアで旋盤加工ができれば、非常に大きなコストダウンが期待できます。
ただし、アジアの工場では、「工作機械が古い」、「日本メーカーではない」といったデメリットがあり、不良率の向上につながってしまうこともあります。海外工場であっても、しっかりと設備投資している製造業を探すのがいいでしょう。
フィリールは金属の切削加工におけるプロとして、ベトナム工場であっても最新の旋盤・フライスを完備しています。品質においても、日本人がしっかりと加工チェックをしているので、既存のお客様からも高い信頼を得ております。高度な精度や複雑な切削を旋盤やフライス加工でお求めの方は、是非フィリールにお問合せください。
フィリールに旋盤加工を依頼するメリット
弊社フィリールは大阪に本社工場を持つ切削製造業となります。旋盤加工を中心にあらゆる加工工程において豊富な実績を持ち、中小大手のメーカーから大きな信頼をいただいております。
下記では弊社フィリールの他社と差別化を図る特徴をご紹介します。
1. 各種NC&5軸加工機を所有。高精度の部品加工も歓迎
フィリールではNC旋盤やNCフライスはもちろん、日本メーカーの最新の5軸加工機も導入済みです。半導体製造装置のような高い精度を求められる部品も問題なく対応することができるので、大手メーカーの切削加工案件も数多くいただいております。
2. 商社を介さないで素材を調達できるから安い
フィリールは自社と提携・所有の海外工場から直接金属・樹脂素材を調達しているので、昨今の素材インフレでも最小限の価格変動のみで安定した調達・供給を実現しています。最近では工場や販売店から素材の販売依頼の問い合わせがあるほどです。「いままで取引していた業者が突然見積もり価格が1.5倍になった」、「取引先の工場から素材が調達できないと断られてしまった」という調達担当者は、ぜひいフィリールにご相談ください。
3. 1万個以上の量産加工も歓迎。550台以上の加工設備を整備
フィリールでは大阪工場、ベトナム(ホーチミン)工場、中国(深圳市)工場にて加工が可能となります。中国深圳工場は提携先となりますが、同社取締役副社長が弊社フィリールの代表となるので、日系企業を優遇した取引が可能となります。工作機械及び計測機械合わせて550台以上の設備を整備しているので、どのような案件にも対応することができます。「他社に依頼したら切削では難しい。金型でないと無理と言われたが、高精度の加工が必要のため切削が必要」と悩んでいる担当者は一度お問い合わせください。高精度を保つ切削量産をご提案します。