金属加工の中でも高い需要を誇る「アルミ(アルミニウム)」ですが、弊社フィリールでもアルミの切削加工の依頼は高い頻度で請け負っております。
アルミは一般的には切削が容易な金属とされていますが、それは、あくまでもアルミ加工に日ごろから慣れている技術者がいることが前提です。加工を依頼するメーカー担当者様は、是非ここでご紹介するアルミ加工の依頼方法をご参考ください。
目次
アルミ加工は実は業者によって見積もりが高くなる要因に
アルミ加工は融点が低く柔らかいため、切削は比較的簡単とされています。しかし、その一方で柔らかすぎるため、切削する工具やアルミの切りくずで加工素材が傷つく場合がよくあります。また、融点が低いことが原因で、アルミが溶けて工具と溶着し、切削の精度を落とすことも懸念されます。
そのため、技術者としてはベテランでも、アルミの加工に慣れていない人も少なくなく、そういった業者に依頼すると不良率を見越して予め多少割高の見積もりを出してくることがあります。
アルミの切削加工依頼は注意!コロナ前と比較して価格が1.5~3倍に!
アルミの切削加工を依頼するメーカーや法人企業に留意してほしい点が、「新型コロナ以前と比べて、アルミの仕入れ価格は1.5~3倍に高騰している」ことです。アルミ加工の見積もりを工場に依頼すると、もしかすると加工価格の高騰に驚くかもしれません。
アルミの仕入れ価格が高騰している理由は主に2つあります。1つは、新型コロナの影響で世界的に輸出港の人員が不足しているのと、2021年秋以降の欧米の急速な経済回復により、コンテナが不足しており、また日本行きのアルミが欧米に取られていることが挙げられます。
2つ目の理由は、IT・半導体の進歩や電気自動車の急速な普及により、アルミをはじめとして軽量金属素材の需要が急騰しています。前者の問題はコロナが落ち着けば解消されますが、後者は今後も需要が伸び続けるため、解決の糸口が見えないのが現状となります。
調達担当の方は、上記を踏まえて工場側と見積もりやアルミ加工の交渉といった依頼をしてみるといいでしょう。
アルミ加工の難しい点
アルミ加工は上述のように技術者の得手不得手によって見積もりが若干上下しますが、相見積もりにかけてみると、それほど大きな差はありません。しかし、アルミ加工の中でも部品や製品の量産を依頼したい場合は、業者間に見積もり金額に大きな差が出てくるでしょう。
まず、アルミは切削はしやすい素材ですが、加工しやすいかどうかは図面に依存します。近年アルミを使う部品はパソコンなどの電子機器部品や航空、宇宙産業が多く、いずれも非常に高い精度が要求され、また複雑な設計が必要となることもしばしばあります。
高い精度や複雑な図面を基にした切削加工の場合は、どうしても見積もりが割高となります。弊社フィリールでは、図面を改めて見直し、よりシンプルな設計に置き換えることによるコストダウン化のご提案をさせていただくことができます。また、量産であればベトナムの海外工場に依頼することによって、人件費や材料費を大幅に落とすことができます。
アルミの加工方法・種類とは
弊社フィリールでは小ロットから1万個以上のアルミの量産加工を積極的に請け負っております。アルミ加工では下記の切削方法を用いるのが普通となります。
フライス加工
工具を高速で回転させて、切削物に当てて削る加工方法です。アルミは柔らかい材質のため、フライス加工もしやすいのが特徴です。
旋盤加工
工具を回転させるフライスの逆で、切削物を回転させて、工具を当てて削るのが旋盤加工の特徴となります。円筒状にアルミ加工をする場合に用いる加工方法です。
マシニングセンタ
マシニングセンタはフライスや穴あけ、中ぐり、リーマ仕上げなどを1台でこなす優れた工作機械となります。一方で旋盤加工は上述したように切削物を回転させるためマニシングセンタでは賄えず、フライスや旋盤の双方をこなす工作機械は「複合加工機」と呼ばれ、さらに高価なものとなります。
5軸加工機
マシニングセンタには3軸加工機と5軸加工機があり、3軸では不可能な主軸の移動も可能で、また、一度に多面加工が可能となるので、人の手が工具に触れる回数が少ない分、高精度のアルミ加工が可能となります。
精度を求めるアルミ加工を工場へ依頼。5軸加工機を所有している業者を探す
アルミ加工に高精度を求める場合は、5軸加工機を所有している工場に依頼するのが確実といえます。工作機械の自動化はNC旋盤、NCフライス、マシニングセンタなど幾種もありますが、年々製品や金属部品に求められる精度は上がってきて、これらでは対応できないケースも増えてきました。
弊社フィリールでは5軸加工機を所有しており、1個から大ロットまで高精度なアルミ加工の依頼を請け負うことができます。
アルミ加工を依頼する切削業者選びで失敗しないポイント
上記ではアルミ加工の特性や依頼時の注意点などをご紹介しましたが、実際に調達関係者が切削加工業者を選ぶ上で失敗しないポイントがいくつかあります。
切削加工業者とは直接会って商談・依頼する
実は意外とこれが重要な要素となります。担当者の人柄や論理的思考力、建設的な提案力などを直接図ることができますし、工場を見学して「従業員がそこらへんで煙草を吸っている」、「従業員の規律がなっていない」、「工場内で工具や備品がそこらへんに放置されている」、「工作機械を置いてある環境が悪い」といった切削工場では、現代のニーズに則した高い精度のアルミ加工は残念ながら期待できません。切削を得意とする加工工場は町工場含めて多数存在しますので、改めて別の業者を探すのが得策と言えそうです。
予算の相談と図面の制作を請け負ってくれる業者を探す
切削加工業者にアルミ加工を依頼する場合は、相見積もりをとって業者を決めることでしょう。しかし、切削加工業者が初回に提出する見積りは正確ではないことが多く、値切り交渉されることを見越して多少高めに設定していることも多々あります。そのため、見積りをみて少し高いと感じても、予算の相談をすることによって、適切な見積りを再度作ってもらうことができます。
また、切削加工業者は図面で予算を決めます。図面の切削方法が業者にとっては割高になってしまうことも多々あるため、正確な見積もりや価格交渉をしたい場合は、図面を業者に渡して、予算内に収まるよう図面を書き直してもらうようにしてください。
海外に拠点を持っている工場に切削を依頼する
上述したように、2022年以降はアルミを含む金属素材全般が価格高騰しています。そのため、小さな町工場は金属素材の調達がうまくいかず、国内の商社から高値で仕入れる自体が発生しています。一方で、海外に拠点を持っている工場は、海外工場から直輸入することができるので、安定した調達と価格提供が可能となります。
歪みにもしっかりと対応してくれる業者を探す!
アルミ加工のような柔らかい材質の切削加工では、必ず気を付けなければならないのが「反り」や「歪み」です。アルミ加工時は、この反りや歪みも考慮した上でプログラミングを設定しなければなりません。また、精度を要求される場合は、アルミであればA7075ではなくA5052に素材を変えたり、薄板であればKN材にするなど、材質の変更もご依頼時に提案させていただくこともあります。
アルミの切削を依頼するさいは業者の意見も聞いて
アルミの切削を工場に依頼する際は、アルミ合金の種類や公差、切削に使う工作機械などを最初に決めますが、その際は是非工場側の意見も聞いてみてください。
もし工場が何も意見を出してこないようであれば、もしかするとアルミ切削に関して博識の人がいないのかもしれませんし、事務方担当者と現場の技術者と連携が上手く図れていない可能性もあります。
また、高い精度を要求すれば、それだけ高額な機械チャージがかかってきますので、見積もりも割高となりがちです。もし工場が突然レーザー加工やウォータージェットなどを提案してきたら、もしかすると見積もりを水増ししたいだけなのかもしれません。「本当にこのアルミ切削に高価な工作機械は必要なのか」ということを検討してみるといいでしょう。
高品質な量産・数物依頼を実現するためのポイント
アルミ加工における高品質かつ安定的な量産・数物を工場に依頼したい場合、下記点に気を付けて打ち合わせをしてみてください。
・できるだけ具体的かつ正確な図面を最初に用意する
・最初の試作品の完成度から、納期を逆算して考えてみる
・アルミ加工のデータと量産の実績が豊富な工場を探す
・工場の担当者が独断で決めたりせず、担当者の意見を交換しながら図面を作成する
工場の技術者はどんなにスキルが高くとも、図面に記載されている加工以外は一切しません。そのため、最初の図面が完成度を決めるといっても過言ではありません。
アルミの切削加工を個人で持ち込み依頼したときの価格事情
「法人ではなく個人が工場にアルミを持ち込んで加工を依頼すると価格は高くなるの?」というご質問もよく耳にします。もちろん1個2個の場合と数千個から1万個の量産依頼を比較すると、工場側の利益がまったくことなるので、小ロットではできない値引きをすることもできます。
しかし、ロット問わず材料や加工費用は、個人も法人でも価格は変わりません。ただし、「このアルミ板に穴を開けて、表面処理をしてくれ」という依頼があった場合は、穴を1つ開けるだけでも人件費や加工費がかかりますし、表面処理をする場合は切削工場ではできないため、提携している業者に持っていきます。そのための運搬費や梱包費、事務手数料なども発生するため、結局割高になってしまうことは多いのが事実です。
大阪の業者・工場にアルミの加工依頼をするときの注意点
大阪の製造業社にアルミの加工依頼をする場合は、下記の点に注意して選んでみてください。
1.予算や納期の相談にのってくれるかどうか
大阪は昔からモノづくりが盛んのため、小規模の製造業社が今もたくさん町中に存在します。しかし、中には昔ながらの職人気質をいまも貫き、価格交渉に応じてくれなかったり、納期を守ってくれなかったりする業者もありますので注意が必要です。
2.設備投資をしているかどうか
大阪の業者の中でも老舗を誇る工場は、なかなか設備投資が進んでいない様子が見受けられます。汎用とNC工作機のみを必要最低台数用いて、あとは技術者の経験則からくる感覚で切削をするところも多くあります。
しかし、近年はあらゆる加工部品が極小化し、それに伴い人の目や肌触りでは判断できない高い精度が要求されます。そのため、上述した5軸加工機や複合旋盤など、高価な工作機械の整備が必要不可欠となりました。大阪で業者にアルミ加工を依頼する際は、まずはその業者が整備している工作機械と台数を確認するようにしましょう。
大阪の工場にアルミ加工を依頼する場合は相見積もりをとるべき?
大阪の工場にアルミ加工を依頼する場合、基本的に相見積もりはおすすめできます。価格の相場を調べるだけではなく、業者によって見積りの内訳の算出の仕方や記載の仕方が変わります。
見積りの内訳が細かく記載されていないと、なぜそのような価格で見積もられたのかが不透明です。こういった工場にアルミ加工を依頼してしまうと、契約後に追加料金の支払いを要求されたりとトラブルがつきものです。
そういった書面でのやり取りも疎かにしない工場は、真摯に依頼者に向き合ってくれるはずです。そのためにも相見積もりをとるのはおすすめです。
フィリールでは高精度なアルミ加工依頼も積極的に請け負っています
大阪に拠点をおくフィリールは、切削加工のエキスパートとして、高精度なアルミ加工の依頼を受注しています。大阪本社工場だけではなく、海外工場も有しており、ベトナム工場には最新のNC旋盤とNCフライス、マシニングセンタ、5軸加工機を設備しておりますので、高精度を維持した量産も可能となっています。
また、中国には550台以上の加工機械を有する大規模生産工場と提携しており、弊社代表は同中国工場の取締役副社長となります。弊社代表が窓口となり、日本企業を贔屓した量産加工を承ることができます。
短納期にも対応。最短即日見積り可
フィリールでは迅速な対応にも心がけています。詳細な見積りや具体的な要望を頂ければ、最短でその日のうちに見積りを提出することもできます。
また、老舗の工場にありがちな「不透明な納期」、「平気で納品日が遅延する」トラブルを弊社は嫌い、海外加工であっても明確な納期を提示することができます。
一気通貫でアルミ加工を受注
切削以外の板金、製缶、表面処理といった加工工程も一括で受注させていただけると、よりコストダウン化が図りやすくなるので、見積もり面で優遇させていただくことができます
アルミ加工のご依頼は、是非フィリールにお問合せください。最短当日のお見積りが可能です。