切削加工を含む機械加工を製造業に依頼する際、どうしても気になるのが見積もり(見積書)の金額ですね。多くの企業は複数の工場に見積もりを依頼して相見積もりをとり、その中から最もコスパが高い業者に依頼することでしょう。
しかし、切削加工は機械加工の中でも中枢を担う重要な加工工程となります。単に安いというだけで製造業を選んでしまうと、取り返しのつかないトラブルに直面することだってあるかもしれません。
そこで、今回は機械加工の見積もりを依頼したらどのくらいの時間で返ってくるのか。また、安くしてもらうポイントをご紹介します。
目次
- 切削加工(機械加工)の見積もり依頼!価格は様々な要素で決まる!
- 切削加工(機械加工)の見積もりを安くするポイントを知ろう
- 切削加工(機械加工)の見積もりを依頼する前に図面と設計を見直そう
- 依頼する前に知ろう。切削加工(機械加工)の見積もりの内訳
- 納品日や納期の遅延の対応は契約書に記載する
- 意外と知られていない!切削加工は多くの加工業者と提携している
- それでも1つの業者にすべての金属加工を依頼した方が見積もりが安くなる理由
- 切削加工(機械加工)の見積もりでは図面・設計時が交渉ポイント
- 切削・機械加工は業者によって見積もりが大きく違う理由
- アルミ金属の切削加工の見積もりを取るときのポイント
- 安い見積もりを出す切削・機械加工工場の注意点とは
- 切削加工の見積もりを大幅に安く!海外工場を積極的に使おう
- 海外工場に依頼する悩みも解決!切削加工のフィリールの強み
- フィリールは図面作成から表面処理まで一気通貫で受注が可能
切削加工(機械加工)の見積もり依頼!価格は様々な要素で決まる!
切削加工(機械加工)の見積もりを取る際は、製造業側からさまざまな質問を受けることかと思います。詳細な図面があれば当日に出すこともできますが、複雑な設計であったり、量産の場合はある程度時間をかけてコストについて話し合うことも安くしてもらうポイントとなります。
一般的に業者は図面をもとに、「自社でできる切削工程」、「使う金属素材の種類、質、量」、「切削工程の数」、「人件費」、「納品までの所要日数」などを元に見積もりを決めます。人員の数や素材の仕入れ原価、工作機械の台数は工場の規模によって異なりますので、相見積もりは非常に有効と言えるでしょう。
切削加工(機械加工)の見積もりを安くするポイントを知ろう
切削加工は機械加工の中でも形と精度を作る非常に重要な加工工程の1つです。特に昨今はITの進歩により年々高い加工精度が求められるようになり、機械加工の重要度が増しています。まずは作ってもらう部品の切削及び機械加工がどれほどの工程と難易度があるのか。また母材となる金属素材の種類と単価の相場を自分で調べてみると、高値を言われても「相場より見積もりが高いな」と勘繰ることができます。
また、業者に問い合わせをするときは、部品の制作に必要な工作機械を事前に調べておくことで、その工作機械を持っている業者であれば見積もりも安く、持っていない業者は協力会社に委託するので手数料分見積もりが割り増しになることが分かります。
切削加工(機械加工)の見積もりを依頼する前に図面と設計を見直そう
切削加工の見積もりを工場に依頼する前に、まずは自社の部署内でもう一度工場に提出する図面(設計図)を見直してみてください。まず、暫定的に検討している、切削に使う工作機械はNCと手動(汎用)で大きく見積もりが変わってきます。
「依頼する部品は精度を要求するから、NCやレーザー加工しかないな」と考えているかもしれませんが、汎用の工作機械で切削加工をしても、スキルの高い技術者が携われば、十分高い精度がでます。
一方で数百個以上の数物量産を見積もり依頼するのであれば、汎用ではなくNCに指定しなければ、高額な見積もりが返ってきてしまいます。
また、レーザー加工のような高価な工作機械は、機械チャージが高くなりますので、これらの工作機械を検討している方は、本当にレーザー加工を選択しなければならないほどの精度を必要としているかを見直してみるといいでしょう。
依頼する前に知ろう。切削加工(機械加工)の見積もりの内訳
切削加工(機械加工)の見積もりの内訳は依頼する工場によって異なりますが、中身は実は同じで、下記が工場が見積もりを作る上で考慮する項目となります。
- 母材の費用
- 加工費用
- 機械チャージ
加工の費用には人件費や工具の取り換え費用なども含まれており、また切削加工(機械加工)の工数と難易度も鑑みます。機械チャージは上述したように、使う工作機械によって発生する使用料です。機械チャージは一般的に購入価格と比例します。数十万円から数百万円で買えるものもあれば、1000万円以上する工作機械もあります。また、高い精度を求めれば、それだけ高価な工作機械に頼りがちとなります。
切削加工(機械加工)における納期と見積もりの関係性
切削加工(機械加工)を依頼するメーカーの多くは、「短納期・低予算」が可能な業者を探していることでしょう。もし依頼する工場で工作機械が空いているのであれば、切削加工の内容によっては短納期でも可能となります。しかし、基本的に工作機械はスケジュールで稼働日を決めており、また、必要となる人員も確保しなければなりません。そのため、短納期をあまりに求めると、工場側としては見積もりを高くしてプライオリティを上げることになります。
納品日や納期の遅延の対応は契約書に記載する
納期にそれほど縛られない案件であればいいのですが、製品化のための部品加工であれば、社内外の複雑なスケジュールを逐一管理しなければならず、1つの業者が納品日を守らないことによって、社内全体が遅延します。
しかし、残念ながら製造業の中には納品日や納期厳守の意識が低く、「一周間の遅れは問題ないでしょ」とおざなりに考えている人も少なくありません。特にビジネスの意識が低い技術者が社長や窓口担当を担っている場合にその傾向が強く、納期になっても連絡がとれないこともしばしばあります。
そのような納品日遅延のリスクを回避する手段としては、「納品日や納期の遅延の対応を契約書に細かく記載する」ことが効果的です。事前の相談がなく納品に遅れた場合のペナルティや遅延損害金などは「双方の話し合いで決める」と記載するのではなく、具体的に決めるのがおすすめです。
意外と知られていない!切削加工は多くの加工業者と提携している
部品や製品を依頼するメーカー側からすると、あまり知られていないことかもしれませんが、切削加工といっても業者によって得意とする金属素材や切削方法が異なります。
また、切削加工に当たり、依頼主の理想の精度が出せる加工機がない場合も、提携している製造業社に依頼を出すことになります。
無論それ以外の板金、プレス、製缶、表面処理なども自社で設備がない場合は提携業者に依頼するので、その分割高で見積もりに反映されることになります。そのため、切削加工業者を選ぶ際は、依頼する工場の設備や台数も見積もりを取る上で重要な情報となります。
提携先をほとんど持たない業者はリスクがある
切削加工業者の中には、提携先をほとんど持たないところも少なくありません。地域密着型の老舗の工場は、とりわけその傾向にあります。提携先が少ない業者に依頼する場合、外注先が限られているため、見積もり時に値切り交渉ができないことが多いです。
それでも1つの業者にすべての金属加工を依頼した方が見積もりが安くなる理由
しかし、それでも切削加工業者に図面作成から製品完成まで一気通貫で依頼した方が、結果的に見積もりは安くなることがほとんどです。
メーカー側が加工工程ごとに製造業を探して交渉し、見積もりを依頼するのでは時間的効率が悪いですし、メーカー側も切削だけではなくすべての金属加工の深い知識が必要となってきます。
一般的に中堅以上の切削加工業者であれば、一気通貫で1つの製品を完成できるよう、信頼できる業者と提携しています。メーカーが業者ごとに契約するよりも全体を通してコスト削減することができる分、それを見越して見積もりを安く設定することもできます。
数物・量産ならば必ず一気通貫で1社に頼ろう
1000個、1万個以上の数物・量産の依頼をしたいのであれば、より見積もりと納期の厳格な管理が必要となります。中堅規模の工場であれば、量産依頼は歓迎してくれるため、多少の納期の融通や見積もりの値引きにも努力してくれることでしょう。
切削加工(機械加工)の見積もりでは図面・設計時が交渉ポイント
切削加工(機械加工)を安く見積もり依頼する際は、図面・設計図の提出時が有効です。工場側は図面・設計図に忠実に切削・機械加工を実施しますが、当然図面に記載されている切削の加工工程が少なく、また、縦・横の加工がシンプルなものほど難易度が低いため、トータルのコストも安く上がります。
多くケースでは自社で図面を用意していることでしょうが、もし予算を切り詰めなければならないようであれば、工場側に安くできる加工方法を提案してもらうのもおすすめです。
切削・機械加工は業者によって見積もりが大きく違う理由
複数社から相見積もりをとってみると分かるのですが、同じ加工条件を提示しても、見積もり金額が工場によって大きく異なることがよくあります。その理由は上記のように「母材の仕入れ価格」と「加工工数」、「人件費」などが異なることが理由に挙げられます。
特に新型コロナ以降は母材の仕入れ価格が急騰しており、これまで日本の販売店から仕入れて、自力で海外輸入をしてこなかった町工場と、中国や韓国など金属素材が安く手に入る国から直輸入できるルートを持っている工場とでは、場合によっては数倍の価格差が開くことも珍しくなくなってきました。
また、図面は同じでも、加工方法は工場によって異なるのが切削・機械加工の特徴です。そのため、相見積もりをとってみると、工場の得手不得手がよくわかります。
アルミ金属の切削加工の見積もりを取るときのポイント
金属素材の中でもアルミの切削加工を依頼する場合は、数多くの製造業を選択肢に上げることができます。アルミは金属素材の中では「切削性が良い」、「アルミの調達・入手が容易」であるため、見積もりの交渉をすることもできます。
ただし、アルミはご存じの通り熱伝導率が高く工作機械に溶着しやすく、また強度面で不安があります。合金の種類によっては難削材と呼ばれることもあるので、どの業者も切削自体は請け負っているものの、技術者によって得手不得手があり、苦手意識がある場合は意図的に見積もりが通常より割高に設定されることもあります。
安い見積もりを出す切削・機械加工工場の注意点とは
では、上記を鑑みると、一番安い見積もりを出した工場にすべきなのかというと、必ずしもそうではありません。切削・機械加工は年々高精度が求められており、高価な工作機械と同様に、それを扱う人員が必要となります。切削や機械加工に精通しているだけではなく、自分でプログラミングができるスキルとノウハウも必要となります。
「安い業者だと思って依頼したけど、不良率が高いらしくて一向に納品されない」
「追加オーダーしたら断わられた。自社の工作機械だとできないよう。だったら最初から言ってよ」
のように、依頼を引き受けた後に「失敗ばかりでこの案件はコストがかかりすぎる。もう引き受けたくない」というケースが実は散見されます。
切削加工の見積もりを大幅に安く!海外工場を積極的に使おう
海外工場を持っている業者であれば、見積もりはかなり安くなります。アジアは人件費が安いですし、日本から物理距離も近いためにおすすめです。ただし、海外工場の場合は設備が古い可能性があるので、海外工場の工作機械も日本と同様の最新であることが工場選定の条件となります。ちなみに弊社フィリールはベトナムに工場を持っております。東南アジアの中では、ベトナムはフィリピンに次ぐ2番目に日本との距離が近い国で、さらに人件費も安く、また中国とは陸続きのため、安く金属素材を仕入れることができるのが魅力です。
海外工場に依頼する悩みも解決!切削加工のフィリールの強み
海外工場と言えば、いままでは中国がほとんどでした。そのため、海外工場の切削加工でありがちの「精度が満たせない」、「切削に粗さが目立つ」、「納期が驚くほど遅い」といった問題が生じていました。
お国柄といった欠点をなかなか日本側も解決できずにいるのが現状で、弊社に問い合わせいただくお客様の中にも、海外拠点の状況を気にしている方が多い印象です。弊社フィリールでは中国にも部品生産拠点を持っている傍ら、ベトナムにも工場を有しており、勤勉で吸収の早いベトナム人従業員を抱えて、日本と限りなく近い切削加工の品質を実現しております。
ベトナム工場で使う切削加工機も、すべてが日本メーカーとなりますし、加工チェックも日本人技術者が行います。また、ベトナムでも提携工場がありますので、日本と同様に一気通貫で完成まで請け負うことができます。
上述した工数や金属素材の種類を変えることでも見積もりを安くすることはできますが、それでも海外工場に依頼する方が遥かに安く依頼することができます。もし本当に切削加工においてコストダウンを考えているのであれば、弊社のような海外にも生産拠点を持っている業者がおすすめです。
10万個以上の大ロットにも対応!格安見積もり
弊社フィリールの代表は、中国の大規模部品生産工場の取締役副社長を兼任しており、1万個、10万個単位の部品生産も請け負うことができます。具体的な見積もりもすぐにお出しできるので、量産を考えているメーカーご担当者様は、一度ご相談ください。
フィリールは図面作成から表面処理まで一気通貫で受注が可能
フィリールでは図面作成から板金・製缶、切削、表面処理まで請け負うことが可能です。弊社は切削の専門業者ではありますが、提携先と密な連携を図っており、各工程のスケジュール・品質管理はもちろん、コストメリットも提供することができます。
上記でも触れましたが、近年は部品の小型化・精密化が進んでいて、切削工程だけではなかなかコストダウンを図れないことも多くなってきました。そのため、その他の工程も含めてコストダウンができる箇所を探すのが価格交渉のポイントとなります。
フィリールでは加工チェックも欠かしません
弊社フィリールでは提携先から送られてきた加工品や海外工場で加工した切削品はお客様に納品する前に、一度大阪本社の工場に送られ、日本人のベテラン技術者がしっかりと加工チェックを行います。
万が一ここで寸法に誤差が生じていたことが発覚した場合は、そのまま本社工場で再加工をすることができる体制を整えています。