個人や法人で、ステンレス加工のオーダーメイドを製造業社に依頼したい、という場合は、どのような流れでオーダーをすればいいのでしょうか。
古くから高い需要を誇るステンレスですが、日本国内には質の高い加工技術を持つ製造業者が数多くあります。しかし、自社の理想の納期と予算をもってしてステンレス加工を請け負ってくれる加工業者は、実はそれほど多くはないかもしれません。そこで、今回はステンレス加工のオーダーメイドを依頼する際の全体的な流れ、及び加工業者を選ぶポイントや基準などを併せてご案内します。
目次
ステンレス加工のオーダーメイドの流れ
ステンレス加工を製造業社にオーダーする場合は、基本的に下記のような流れとなります。
オーダーの流れ① 問い合わせ
この時点で既に図面があれば、問合せ時に添付してください。正式な図面は契約後に加工業者側で作成することも可能です。
価格はもちろん、どれだけ自社の希望する素材を使えるのか、また納期も重要なポイントです。
もし図面が数十枚に及び、「複数の加工業者に依頼しようと思っている」と言うことであれば、まずは問合せをする業者に、すべてのオーダーメイド加工や部品の調達を代行できるかどうかを訊ねてみるといいでしょう。
オーダーの流れ② 見積もり
業者側がステンレスのオーダーメイドの内容をを精査して見積もりを作ります。見積もりは日当や素材の調達費、納期、使う工作機械などあらゆる面から検討されます。
送られてきた見積もりを確認し、OKであれば契約を締結。もちろん相見積もりをしてじっくり選ぶのも可。
ちなみにステンレスの加工は他の素材とくらべると多少高くなります。もし予算や納期に折り合いがつかない場合は、別の素材で対応できるかどうかも検討するといいでしょう。
また、複数社の見積もりを確認する中で、他社と比べて異様に想定納期が長い場合は、単に忙しい、工作機械が空いていないというだけではなく、ステンレスのオーダー内容を実行するのが難しいと考えている可能性もありますので、この時点で当該業者は外すことも検討するのもいいでしょう。
オーダーの流れ③ オーダーに沿った製品作り
基本は図面作成から機械加工、製缶、表面処理まで1つの工場にオーダーするのが理想です。また、量産やゼロからのオーダーメイドの場合は、試作品を作ってもらうことができますので、そこで業者を再度天秤にかけるのもいいでしょう。
注意点としては、一度NC旋盤やフライスで作業に当たると、加工を終えるまでチェックはしませんので、最初の図面に何かしらのミスがある場合は、業者側は気づくことができません。
基本的にオーダーメイドの加工に関しては設計図がすべてとなりますので、工場の担当者と一緒に設計図を話し合うことも必要となります。
オーダーの流れ④ 納品
オーダーした製品が納品されます。加工チェックによって規格にそぐわないものがある場合もあるので、納期は必ず事前に綿密な打ち合わせをしてください。
また、納品方法に関しては海外調達した場合は注意が必要。海外工場から依頼主に直接納品されるケースがありますが、それよりも一度日本の工場に持ち込んでもらい、日本人技術者の目で加工チェックしてもらうのが不良品を避けるポイントとなります。
ステンレス加工のオーダーメイドで大切なこと
「ステンレスと鉄は違うの?」とよく疑問に思われますが、ステンレスは鉄とクロムの合金で、いわゆる鉄の一種です。しかし、合金の比率によって同じステンレスでもたくさんの種類に分けることができるので、結局その製品に使うステンレスの種類を適材適所で選び抜く技術者の目利きが重要となります。
また、優良な工場はあらゆる角度からオーダー先の依頼主に提案を致します。
そもそも論として、作りたい製品は本当にステンレスが適切なのか、同じ鉄である鋼ではだめなのか、またはステンレスと似たような金属素材は使えないか、などを多角的に考えて1つの製品を作ります。
このように工場側と一緒に検討した上でオーダーすることによって、より品質の高い製品を作り上げることができますし、責任の所在もはっきりさせることによって、のちのトラブル回避にも繋がります。
ステンレス加工のオーダーメイドで価格交渉を図るポイント
ステンレス加工をオーダーする上でありがちなのが、「オーダーメイドしたい工場は既に決まっているが、見積もりが少々高い。何とか価格を下げてほしい」というものです。
ステンレスは元々金属素材の中で原価が高いので、大きな価格交渉は難しいかもしれません。
しかし、ステンレス加工に精通しており、優秀な技術者が常駐している工場であれば、必ずコストダウンができるポイントを持っています。
例えば切削部分では値引きは難しいが、溶接や塗装も一緒に請け負うことができれば、総合して値引きが可能という場合もあります。
また、図面を読み直し、もっとシンプルな切削方法に切り替えることができれば、それだけ価格を下げることができます。
そういった多角的な提案を工場側から積極的にしてくれるところにオーダーするのがおすすめです。
初めてのオーダーメイドでは、ステンレスの種類にも注意
初めて取引する加工業者にオーダーメイドを依頼する場合は、ステンレス鋼の種類にも気を配らなければなりません。
ステンレスにも複数の種類があり、マルテンサイト系ステンレス鋼やフェライト系など、クロ
ムや炭素の含有比率によって素材や特性が大きく変わります。
また、ステンレス加工は国産を使用するケースが多いですが、予算を気にする場合は中国製も選択の余地に入ります。
ただし、中国問わず海外から金属素材を輸入する場合は、手元で確認した時点で「使いたい材質とちょっと違うかも」といったトラブルもしばしば見受けられます。
そのため、海外から安い素材を調達してオーダーメイド加工をする場合は、依頼する加工業者が海外に工場を有しているかが重要です。
単に「中国の調達ルートを持っている」、「提携している工場から送ってもらう」といっただけでは、品質になんら保証はありません(提携工場といっても、あくまでも他社のため)。
ステンレスのオーダーメイドの問合せ時に工場側に伝えておくといい項目
問合せ及び見積もりを制作する段階で、下記事項は詳しく製造業に伝えておくのがポイントとなります。
・使用用途
・使用するシーン
・素材・質
・個数
・表面処理の必要の可否
・納期
基本的に表面処理をオーダーすると、乾燥させる時間もかかるため納期は物理的に延びてしまいます。
また、使用するシーンや用途によって素材の種類や表面処理の可否が変わってくるので、こちらも事前にまとめておくといいでしょう。
ステンレス加工のオーダーメイドをする際の業者の選び方
ステンレス加工のオーダーをする際、どのような基準で業者を選ぶのが失敗しないコツなのでしょうか。
予算や納期、工場と自社の距離以外にも下記のような基準でステンレス加工のオーダーができる工場を探してみてください。
・ステンレス加工の実績が多い
・ステンレス加工はとりわけ安く請け負える
・ステンレス加工に最適な設備と工具を持っている
などが大切。ステンレスはほぼ輸入となっていますので、独自の仕入れルートを築いている業者は安く加工オーダーを請け負うことができます。
ステンレス加工のオーダーメイドの前に試作品を提供してもらう
ステンレスの加工でオーダーメイド且つある程度の量を注文する場合は、まずは試作品を作ってもらうようにしましょう。
このときに依頼するメーカー側に知っておいてほしいのは、「最初の試作品で規格にそぐわなくとも、2回目、3回目で品質が向上して、最終的に規格に合えば、その加工業者は優秀である」ということです。
ゼロから作るオーダーメイドの場合は、試作品の制作段階である程度の誤差は織り込み済みで、おおよそ2~5回ほど試作品を作って完成します。
見た目や加工チェック段階では問題なくとも、実際規格に当てはめてみると、なぜか合わない、といった作業工程と設計図の微妙な違いも、この試作品の制作段階で明るみにすることができます。
個人でもステンレス加工のオーダーはできる?
近年はDIYが流行っていて、個人でも金属加工を自宅で試みる人も増えてきました。一昔前ならば日曜大工と呼んでいたでしょうが、昨今は非常に高いクオリティの加工をする人が多く、専門家も驚きを隠せません。
個人が自力でステンレス加工をする人もいますが、素人の場合はうまく切断できなかったり、バリ取りをするグラインダーを持っていない場合が多く、返って高くついてしまいますので、個人のオーダーも引き受けてくれる最寄りの工場に依頼するのがおすすめです。
ステンレス板の加工はホームセンターに依頼できる?
個人のオーダーや持ち込み依頼の中で最も多いのがステンレス板の加工(穴あけと切断)です。昨今はホームセンターの品ぞろえも充実していて、ステンレス板を販売しているところも見かけるようになりましたが、穴あけや切断といった金属加工を請け負っているホームセンターはあまり見かけません。
もしステンレス板の加工をホームセンターに依頼したいのであれば、切削業者が出入りしているような店舗を見つけるのがいいかもしれませんね。
ステンレス加工のオーダーメイド実績多数!大阪のフィリールにご相談ください
弊社フィリールは大阪に拠点を持つ切削を専門とした製造業です。大阪で創業以来、多数のステンレス加工のオーダーの実績を持っております。また、大阪以外にもベトナムに工場をもっているほか、弊社代表は中国に1万平方メートルを超える大規模な部品生産工場の取締役副社長を兼任しております。
仕入れ先に関しても日本・ベトナム・中国・韓国と独自のパイプを持っており、他社と差別化を図っています。高い品質を維持したまま低予算でステンレス加工のオーダーを請け負うことが可能ですので、是非一度ご相談ください。
ステンレス加工のオーダー歓迎!価格交渉にも真摯に対応!
近年は新型コロナやそれに伴う物流の停滞・インフレなどにより、ステンレスを含む金属素材の価格の高騰が目立ちます。世界的な課題となるため、今後も価格上昇は避けられないとの見方が強く、我々製造業や金属素材の販売店・商社・メーカーにとっても喫緊の課題となっております。
「いつもステンレス加工を依頼している業者が価格を1.5倍に上げてきた」
「提携しているステンレスの加工業者が潰れてしまった」
「ステンレスを調達したいが、利用している販売店が入荷未定の欠品になってしまった」
といった悩みを持つ調達関係者は昨今非常に増え、弊社にも毎月ご相談の問い合わせがあります。
弊社フィリールは上述したように海外現地における独自の調達ルートを開拓しているため、年間を通じて安定した価格で加工依頼を受注することが可能です。