近現代において、金属加工の発展に大きく寄与した「レーザー加工」。これまで諦めるしかなかった難削材の切断や穴あけも可能となり、なによりも非常に精度が高いのがレーザー加工の特徴。そこで、今回はレーザー加工を行う際の金属素材に関して、及び工場にレーザー加工を依頼するときの注意点などをご紹介します。
金属加工の発展に貢献。レーザー加工の歴史と概要
金属加工の中でもレーザー加工は後発の技術となり、1960年初頭に開発されて、町工場レベルでも実用化されはじめたのは1980年代に入ってから。レーザー加工は熱切断加工方法の1つとなり、ガスやプラズマ切断と比べると、仕上がり精度に大きな違いがあります。また、後処理も楽なことから、レーザー加工はいまでは製造業においては、なくてはならない加工設備となりました。
金属のレーザー加工の難しいケース
レーザー加工はどんな金属素材においても万能というわけではありません。例えばレーザー加工においては、光の反射に影響されるアルミ、銅、真鍮などは不向きとなります。不可能ではありませんが、レーザー加工機が壊れることがあるので基本は行いません。ただし、レーザー加工の中でも最新のファイバーレーザーであれば、これらの金属素材もレーザー加工することができます。ただし、レーザー加工機は従来までのガスやプラズマと比べて費用が割高になる上、ファイバーレーザーはさらに高額となるため、町工場すべての製造業者が設置しているわけではありません。
金属のレーザー加工を工場に依頼する場合のポイント
金属のレーザー加工を製造業(工場)に依頼する場合、通常はよほど贔屓している取引先でない限り、複数社から見積もりをとって相見積もりにかけることでしょう。そこで必ず工場側に確認してほしいのが、「納期」です。レーザー加工は通常の加工機よりも速度が遅く、また金属素材によってはさらに速度を緩めて、少しずつ切断や穴あけをします。そのため、量産を依頼したい場合や、短納期での納品を希望するさいは、工場側に何台のレーザー加工機があるかも重要になってきます。
追加工もしっかりとフォローしてくれる工場を探そう
レーザー加工はCO2とファイバーが主流で、金属素材によって使い分けるのですが、いずれにしても加工中もしくは加工後に切断面がテーパー状になったり、バリ、熱による変形が発生します。見た目だけではなく、機能面や誤差が出る原因ともなりますが、追加工をすれば最小限に抑えることができます。金属加工業者を選ぶ際は、しっかりと最後までフォローしてくれる工場を見つけてださい。