例え切削性に優れているアルミであっても、ワイヤーカット放電加工を行うのであれば、経験と技術が必要です。
ここではアルミのワイヤーカット放電加工の特徴と、依頼をする際の注意点やポイントをご紹介します。
目次
アルミ加工でワイヤーカット放電加工が必要な例
アルミは通常の鉄よりも切削がしやすく、加工スピードも早いため、一見すると旋盤やフライス、マシニングセンタで事足りることが多く、ワイヤーカット放電加工は使わないと考えられがちです。しかし、昨今は半導体製造装置の部品やスマホ、航空、宇宙産業など、非常に小さなサイズで、緻密な切削加工が求められるケースが増えてきました。
アルミ合金でもワイヤーカット放電加工を選択するケースも多い
そういったときは、アルミであってもワイヤーカット放電加工を選択することもよくあります。また、アルミの場合は合金を切削することがほとんどなので、5000番台など中硬度程度のアルミであってもワイヤーカット放電加工の方が優れた加工が実現することもありますので、技術者が図面や予算を相対的に鑑みて、どの工作機械を使うのかを決めることとなります。
アルミのワイヤーカット放電加工依頼を工場が断る理由
一方でアルミ問わずワイヤーカット放電加工を断る工場も実は多くあります。ワイヤーカット放電加工は、一般的にあらゆる高い硬度の金属や精密さが求められる加工にも適していますが、ワイヤーカット放電加工の実績や経験を持った技術者が不在の場合、何度繰り返しワイヤーカットを使用としても、ワイヤーが金属に当たった瞬間に断線する、といったトラブルも発生しがちです。
ワイヤーカット放電加工には加工槽に加工液を満たして液体中加工するものと、噴射式で加工するものがありますが、断線しやすいのは断然後者となります。
「もう何回も失敗(断線)してコストばかりかかっている」、「引き受けたはいいけど失敗続きだから、もう勘弁してほしい」という工場もあります。そのような工場は、ワイヤーカット放電加工に精通している技術者がいないため、失敗しても原因が分からないため、何度も失敗を繰り返し、いつまで経っても納品できないでいるケースが目立ちます。
アルミのワイヤーカット放電加工の依頼は切削の専門工場に!
ワイヤーカット放電加工はNCなので、最初にプログラミングをすれば、あとは自動でワイヤーカットしてくれるため、切削専門工場以外も安請け合いしがちです。しかし、上記のようなトラブルは意外とよく見受けられるものとなり、専門家がいなければ解決することができないため、依頼者は別の工場を探すことになります。そのため、最初からアルミのワイヤーカット放電加工と決めている場合は、ワイヤーカット放電加工の技術経験が豊富な工場に依頼するといいでしょう。
アルミのワイヤーカット放電加工のメリット
依頼者の中には「アルミの精密加工をお願いしたいのだけれど、ワイヤーカット放電加工以外の方法はないのだろうか」、「ワイヤーカット放電加工を依頼したいけれど、コストが心配。オーバースペックになっていはいないだろうか」といった悩みを抱えている企業も多くあります。
では、ワイヤーカット放電加工の魅力・メリットはどういったものが上げられるのでしょうか。
ワイヤーカット放電加工は硬度に関係なく高精度の切削が可能
今回はアルミを金属素材の例にとって解説していますが、ワイヤーカット放電加工は真鍮や鉄、チタンといった硬度が高い素材であっても、誘電性があれば問題なくカットすることが可能で、精度も±0.01mmとなるので、厳しい公差にも適しています。
アルミ素材だからワイヤーカット放電加工を選ぶのがおすすめ!
アルミは他の金属と比較すると、柔らかい素材となるので、ワイヤーカット放電加工の弱点である加工スピードの遅さを解決してくれます。具体的には鉄素材の1.5~2倍のスピードでワイヤーカットすることができますし、切り屑は液体の中で固まりますので、旋盤にあるような工具と癒着するトラブルもありません。アルミ素材はワイヤーカット放電加工に打ってつけの金属と言えます。
フィリールはアルミのワイヤーカット放電加工で高い精度の切削が可能です
弊社フィリールは、アルミを含むあらゆる金属のアルミのワイヤーカット放電加工の依頼を請け負っております。上述したような断線等のトラブルは技術者の知識に依るところが大きく、アルミなど金属素材が原因ではないことがほとんどです。
フィリールではワイヤーカット放電加工に精通した技術者が在籍しているほか、アルミ加工は切削工場の専売特許となるので、弊社にご相談いただければ、納期と予算面においても最善の提案をさせていただくことが可能です。