金属の切削加工の中でも旋盤と並んで必ず必要となるフライス加工。
フライス加工を製造業に依頼する際は、製造業の設備や加工する金属の切削経験がどれだけ豊富なのかを確認する必要があります。
フライス加工は穴あけから彫刻までさまざまな用途で使うことができる反面、金属の特性を知っていないと、うまく切削できないデメリットもあります。結果的に依頼主側も見積もり高や納期の遅延といった損害を被りますので、フライス加工の依頼はしっかりと吟味して業者を選んでください。
目次
フライス加工の強みとは
フライス加工とは、工具を回転させて加工物を削る加工方法となります。平面と局面に対応できるほか、旋盤では難しい角材の切削に強みを持っています。
外径が大きい加工物は旋盤よりもフライスの方が加工がしやすく、また不良率も低い傾向にあります。
初心者の工員にとっては、加工物が回る旋盤よりも工具を回転させるフライス加工の方がやりやすい、という意見も多くあります。
フライス加工は種類が豊富!業者に依頼する場合は吟味が必要
フライス加工と一概にいっても、フライス加工機はたくさんの種類があります。例えば昨今は数値で制御するNCフライスという工作機械が主流となっていますが、それでもエンドミルやフライスといった工具は手動で取り換えなければなりません。
また、すべて全自動でフライス加工したい場合は「マシニングセンタ」や「複合加工機」を使うことになりますが、大型機のためコストが高くなります。同じNCフライス加工機であっても、「横フライス」、「万能フライス」、「NCプラノミラー」、「ATC付NCフライス盤」のように幾つも種類がありますので、お客様の図面通りに切削できるフライス盤が必要となります。
高い精度のフライス加工を依頼する場合は、これまでの汎用旋盤やATC付NCフライス盤では少し役不足となりますので、NCフライスに加えてマシニングセンタが必須となります。
ただし、フライスだけでこれだけの設備を揃えているところはそれほど多くはありませんので、業者に依頼する際の一つの指標にしてみてはいかがでしょうか。
高精度ならフライス加工だけでは物足りない
昨今は端末の小型化や精密化が目立ち、精度も±0.02mm、場合によっては±0.002mmの精度でフライスをすることもできるようになりましたが、あまりに高い精度や狭い公差を求めてしまうと、フライス加工機だけでは対応することができなくなり、機械チャージの高い工作機械を使うことになります。
また、フライス加工だけでは切削に限界があり、理想の精度を出せるかは、形状や使う工作機械に依ることになります。
高価なフライス加工機による切削を依頼すると高くなる理由
高価なフライス加工機を使えば高い精度の加工ができますが、それと同時にコストも上がります。
まず、高い精度が出る理由については、上述した数値で座標を制御して、それに則して加工するため、工具が摩耗していない限りはほぼ正確なフライス加工が可能となります。さらに、マシニングセンタや複合加工機などは、1台で複数の工具を扱うことができるため、人の手で工具を入れ替えたり、被切削物を動かすことを最小限に抑えることができ、その分精度が保証される仕組みとなります(人の手が触れると精度が落ちる)。
ただし、高価なフライス加工機や工作機械は数百万円から1000万円を超える代物まであります。工場が切削加工の見積もりを出す際は、「機械チャージ」と呼ばれる工作機械の使用料金を含めますが、高価なフライス加工機であれば、この機械チャージが高くつきます。
切削専門工場以外にフライス加工を依頼すると思わぬトラブルも
金属加工において、旋盤やフライス加工機は必ず必要となる工作機械のため、金型成形や表面処理を主業務とする工場であっても、簡単なフライス加工は請け負えるよ、というところも少なくありません。
しかし、切削専門ではない業者に依頼してしまうと、以下のようなデメリットやトラブルに遭遇することもあります。
予定通り納品されない
最もありがちなトラブルは、予定通りに納品されないことと、納品はされたが、規格に合わないことです。
切削の専門以外の工場にフライス加工を依頼する際に、納期の遅延はたびたび発生します。
切削専門ではない工場は、フライス加工機の数が少ないため、一度に加工できる数量が限られていますし、ほとんどの場合はフライス加工だけでは済まなく、旋盤やワイヤーカットといった複数の加工が必要となります。
自社で対応できない工程は、提携している切削工場に任せることになるため、納期を自社で調整することができず、結局依頼主となるメーカーが損を被ることになります。
見積もりが高い
切削工場には常に一定量の金属素材の在庫を抱えていますが、切削工場以外は、その都度仕入れることになりますので、その時の仕入れ価格によって見積もりが上下します。
また、切削工場の多くは、自社ならではの調達網を持っているので、相見積もりをとってみると、値段の開きはかなり大きくなるはずです。
規格に合わない
こちらもよくある事例。とりわけ海外工場で製品を作って納品された際に見受けられます。見た目は同じでも図面通りの工程を踏まなかった場合や、指定した工作機械で切削をしなかったときに、目には見えない誤差が生じ、規格に合わないことがあります。
弊社フィリールではベトナムと中国で部品の切削、生産を行うことができますが、いずれも最終的には日本本社の工場に持ち込んで、加工チェックを行いますので、お客様のお手元に届く際の品質は保証いたします。
高い精度を出せない
上述したことからも分かるように、高い精度を出すためにはNCフライスやマシニングセンタの整備が必要ですが、切削専門外の工場でこれらをすべて整備しているところはそれほど多くありません。また、マシニングセンタのような加工前に綿密なプログラミングを必要とする加工機を使う場合は、技術者のプログラミング技術も必要です。数値の入力だけであればすぐに学ぶことができますが、完成予想図を想像して、頭の中で立体的にイメージして座標を考えるセンスは、圧倒的な経験がものをいう世界となります。
フィリールがフライス加工の依頼に圧倒的な自信があるわけ
フィリールは金属加工の製造業として、大阪を本社にこれまで数多くの企業様から依頼を受けてきました。
弊社フィリールでは図面作成から納品まであらゆる加工を請け負っていますが、その中でも切削を主軸としているため、フライス加工には定評があります。
フライスを含めて、マシニングや複合旋盤、5軸加工など、あらゆる切削加工を自社工場で行うことができるので、よりスピーディかつ正確な納期を保証、さらにコストダウンのご提案も積極的にさせていただきます。
フライスを活用した図面の新規作成でコストダウン
弊社では図面の新規作成も請け負っています。切削の専門家である弊社で確認すれば、図面の簡素化も図ることができるかもしれません。
切削工程がシンプルであれば、使う工作機械や手間も少なくて済むため、コストダウンを図ることができます。
逆に複雑な切削の場合は、フライスよりも少し割高な5軸加工やワイヤーカットを使った方が効率的で、結果的に予算内に収めることもできるかもしれません。
フィリールが量産加工依頼が得意な理由
フィリールでは1~10個の小ロットも歓迎しておりますが、その一方で強みを持っているのは量産加工となります。1000個ないし1万個はもちろん、10万個以上の部品加工の実績もあります。「量産するなら金型でしょ」と思われるかもしれませんが、転造だと複雑な形状の加工が難しいため、ボルトやシャフトのような部品であっても切削を用いるケースは少なくありません。
昨今はIT、車、医療、宇宙、航空とハイテク産業の躍進が目立ち、日に日に求められる精度は複雑化しています。NCフライスやマシニングセンタ、5軸加工機であれば、複雑な切削もプログラミングで解決できますし、座標を固定するだけで量産が可能です。
中国工場にて1万個から10万個以上の量産加工依頼にも対応
切削加工工場の多くは、小ロットから中ロットを得意としています。工場によっては数千個から1万個以上の大ロットに対応しているところもありますが、自信を持って10万個以上の量産加工をスピーディーできる、という工場は、大手メーカーの子会社くらいではないでしょうか。
弊社フィリールは大阪に本社を構え、基本的な切削加工は大阪工場、及びベトナム工場で承ります。一方で1万個ないし10万個以上の部品の量産加工依頼は、中国工場にて受注します。弊社代表が代表取締役副社長として管理している1万平方メートル以上の敷地を持つ部品生産工場にて依頼を受けるので、品質面もご安心いただけます。
フライスだけではない!ワンストップ加工依頼大歓迎です!
フィリールは切削加工を専門とする製造業ですが、ものづくり都市大阪の特性を活かして多数の協力会社と提携しています。板金、溶接、製缶、表面処理まで図面作成から製品化まで責任を持って取り組みますので、是非一度ご相談ください。
試作品の加工依頼も積極受注!
フィリールでは試作品の加工依頼も承っています。初めての製品の加工依頼であれば、どの程度の予算が必要で、どのくらいの期間で納品されるのかが不明ですし、完成品を確かめて本生産に移るか否かを決めるパターンもあるでしょう。事前にご相談いただければ、試作品から本生産への道筋などもご提案させていただくことができますし、見積もり価格も最善を尽くすことができます。
フライス加工の依頼は全国対応!フィリールにご相談ください
フィリールはフライス加工の依頼を全国対応しております。
ご依頼者様が大阪近郊であれば直接商談させていただくこともできますし、遠方でも電話やメールなど対応することができるので、品質やサービスに相違はございません。