アルミ加工を業者に依頼する場合は、一般的に切削業者もしくは一気通貫生産をしている工場に問合せをします。しかし、アルミの量産・数物の加工の場合は、切削業者に依頼する方がメリットが多いことが挙げられます。
今回はアルミ加工の量産・数物を切削業者に依頼するメリットをご紹介します。
目次
アルミ加工の量産を一気通貫生産業者に依頼するメリットとデメリット
一気通貫生産を主とした業者は、工場内に板金製缶、切断、穴あき含む切削、焼入れ、塗装、表面処理と一通りの加工を請け負うことができるよう工作機械を充実させています。
そのため、アルミ加工はもちろん、量産・数物とまではいかずとも、数十個から数百個単位のロット受注も可能で、見積もり面に関しても、自社工場内で賄うことができる分、安上がりとなります。
アルミは合金含めて種類はあるものの、いずれも高い需要があるため、一気通貫生産業者の多くは断ることなく請け負ってくれるはずです。
一気通貫生産業者は精度が高い複雑な切削が難しい
一気通貫生産業者は、一見すると非常に便利ですが、その一方で、一つの加工に特化した切削業者と比較すると、高精度の工作機械を置いているところはあまり見かけません。
高精度のアルミ加工を依頼する場合は、その精度を実現できる工作機械が必要となりますが、一気通貫生産業者はその機械を持ち合わせていないことがデメリットとなります。また、アルミの量産・数物を依頼したい場合、1000個、1万個、あるいは10万個レベルになると、対応が困難なケースも見受けられます。
アルミ加工の量産を切削業者に依頼するメリットとデメリット
一方でアルミ加工の量産を切削業者に依頼する場合、まず欠点として、切削以外の加工は外注に出すのが基本となります。外注といっても提携先となるので、依頼するメーカーが不利になることはありませんし、メーカー担当者が個別に発注するよりも見積もりは格安です。
メリットとしては、高精度及び量産・数物のアルミ加工を短納期・低予算で請け負うことができる点です。一気通貫生産業者と比較してどちらが納期が早く安いかは、図面を見なければ分かりませんが、一気通貫生産業者は「精度を求めず、小ロットが安くて早い」、切削業者は「高精度かつ量産・数物に強い」という見方が一般的です。
アルミ加工は切削業者に依頼するのがおすすめの理由
アルミ加工の難度は他の金属に比べると低いと言われています。軟質なので複雑な切削加工も可能ですし、アルミ合金を使うことにより、さまざまな状況下に合わせたアルミを使うことができます。
その一方で、アルミは軟質のため加工変質層となり残留応力が発生しやすいデメリットがあり、それが加工難度を一気に押し上げています。特に高SIアルミ合金は難削材として扱われているほどです。
そのため、アルミの量産加工をする場合は、素材に適した工作機械を用いて、高精度を維持するための工具選びが重要となります。残留応力の発生は切削だけではなく、その後の表面処理に悪影響を及ぼすので、切削加工に特化した専門技術者の目利きで完璧にアルミ加工をしなければなりません。
アルミ加工の量産をする上での注意
アルミ加工を量産する上で、依頼者(メーカー)が最も気にするのが「予算」と「納期」、そして「精度」となります。一気通貫生産業者は予算は安上がりでも、所有している工作機械の種類が少ないため、他の顧客で空きがなければ納期は遅れますし、高い精度の切削を依頼すると、不良率が上がってコスト高になる可能性もあります。
「高精度の場合は切削だけ外注します」という業者もいますが、それだと一気通貫生産業者のメリットがなくなってしまいますので、そもそも論として切削の専門業者に依頼する方がリスクがありません。
アルミだけではありませんが、量産・数物を依頼する場合は、1社の切削工場に依頼して、複数の提携先工場と一緒になって板金から切削、表面処理に至るまで加工してもらうのが、結果的に短納期・低コスト化の実現に繋がります。
量産の場合は試作品から入りますので、図面の提案から熱心に相談・打ち合わせにのってくれるアルミ加工業者に依頼するのがいいでしょう。
アルミ加工の量産はフィリールにご相談ください
アルミ加工の量産を計画している方は、まずは弊社フィリールにご相談ください。フィリールは日本に本社工場を置き、中国、ベトナムに生産ラインを持つ切削製造業となります。アルミ加工はもちろん、とりわけ量産・数物に自信があり、これまで中小大手問わず数多くの依頼を受注しております。
弊社では量産及び高精度を実現する工作機械を整備しており、図面作成、コストダウン化、試作品からこだわりをもって提案させていただきます。