金属加工において高い需要を誇るステンレス鋼。錆びに強く耐食性も高く、また、強度も高いため、キッチン用品から医療器具とあらゆる業界で重宝されています。しかし、そんなステンレス鋼にもデメリットがあり、それを把握していないと、実用化が進むにあたって思わぬ障害が発生することもあります。
金属加工の工場はあくまでも加工をする専門業者であり、製品が実用化されてから「こんなはずじゃなかった」などのような原材料に関するクレームは受け付けません。そのため、ステンレス鋼の加工を依頼する個人・メーカー担当者は、「本当にこの製品を作るためにステンレス鋼が最適なのか」を今一度検討してみてください。
ステンレス鋼も種類があり加工特徴が異なる
ステンレスは鉄とクロムの合金を指しますが、合金の含有比率や熱処理方法によって、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系のように複数の種類に区別することができます。
また、ステンレスは錆びないイメージがありますが、ステンレスの種類によっては錆びるものもありますし、どの種類を使うかは加工する製品によって考えなければなりません。
いずれも一長一短があり、加工をする際は製品によって種類を選定しなければなりませんので、メーカー担当者の知識もさることながら、金属加工を依頼する工場の担当者との綿密なやりとりも必要となるのがステンレス鋼の特徴ともなります。
ステンレスは錆びに強く強度が高いは本当?
ステンレスの特徴というと、「錆びに強い」、「強度が高くて壊れにくい」という点がメリットとして挙げられますね。
確かに、通常の鉄と比べるとクロムが含まれている分、錆には強いです。しかし、錆びに強い要因となっている酸化皮膜は酸性もしくはアルカリ性に長時間当たっていることによって、膜がはがれてしまい、貰い錆びを受けて錆びてしまうことはよくあります。
確かに、通常の鉄と比べるとクロムが含まれている分、錆には強いです。しかし、錆びに強い要因となっている酸化皮膜は酸性もしくはアルカリ性に長時間当たっていることによって、膜がはがれてしまい、貰い錆びを受けて錆びてしまうことはよくあります。
また、強度の面でも、確かに鉄よりは強度は強いですが、かといって鉄橋など大きな構造物の場合は気休め程度となり、構造物自体が破壊されてしまう点においては変わりありません。
ステンレスの加工は鋼に強い切削業者を選ぶ
上記でご紹介したように、ステンレス鋼と言っても種類はたくさんあり、その中から適材適所を選ぶのは専門知識を持った技術者やメーカー担当者が話し合う必要があります。
また、ステンレスは傷がつきやすいデメリットもありますので、加工をする際はステンレスの切削に慣れた技術者に依頼するのが前提となります。