金属の部品加工を製造業に依頼・オーダーする企業は、どのような基準で工場を選んでいますか。 部品の精度、低コスト、短納期、一気通貫の受注が可能か否かといった複数の指標があるかと思いますが、今回は製造業の視点になったときのおすすめの工場の選び方、優良業者の見抜き方のコツをご紹介します。
目次
金属の部品加工で問われる精度と低コスト化
金属の部品加工において、最も重要視しなければならないのが精度。一般的に金属の部品加工において、精密加工は1000分1mmの誤差で加工することを指しますが、近年は半導体製造装置など複雑な機械が増えてきたことにより、さらに高い精度の1000分1μm(マイクロメートル)という超高精度加工が求められることもあります。
現在は半導体と光学分野で主に利用されていますが、今後産業の発達によって需要は大きくなっていくことは容易に想像がつきます。
しかし、求める精度が高ければ高いほど、金属の部品加工に使用する設備も高額なものとなってくるため、製造業社は限られてくるだけではなく、見積もり額も相応に高くなります。とはいえ、企業の多くはご覧のような金属部品加工を業者に求める場合、往々にして数百個から1000個、あるいは1万個以上の量産品となるため、低コスト化が企業担当者の宿命ともなっています。
量産スピードを上げるためには、工作機械の大型化や金属加工の全自動化などが手っ取り早いですが、いずれもコスト高の原因となりますので、納期とコストはある程度天秤にかけて、バランスをとるのがいいでしょう。
金属の部品加工の依頼・オーダーを格安で請け負える業者の条件
金属素材における高精度の部品加工を格安とまではいかなくとも低コストでオーダーしたい場合、まずは精度に妥協することなく、充実した工作機械を携えている業者を調査しなければなりません。
また、高精度の部品加工は機械技術だけではなく、深い知識と経験をもとにしたプログラミングが必要となるため、これまでの実績も関わってきます。
「うちはベテランの技術者がいるから安心してよ」というのは製作所を経営する社長のうたい文句でもありますが、近年はプログラミングが完成度を左右するほど重要になることから、「プログラミングに対して深い理解を持つ人材」や「図面から完成後を3次元で立体的にイメージできる想像力」などがより求められるようになりました。
十分な設備投資がされている工場は量産依頼を安く請け負う
金属加工の量産依頼は、ある程度の規模の工場になればどこも積極的に受注しています。もちろん割がいいためですが、「うちは1000個までなら早いけど、1万個以上になると納期が遅れるし割高になる」といったところもあることは覚えておきましょう。
これは金属加工工場によって、整備している工作機械が異なるためです。台数、サイズ、それを扱う従業員数などがキャパオーバーしてしまうと、工場側としては利益よりも負担の方が大きくなってしまうことが危惧されます。
そのため、金属加工の量産・数物をオーダーする際は、できるだけ問い合わせの段階でロット数を工場側に伝えるようにしましょう。
金属の部品加工の切削の小ロット・量産依頼の注意点
金属の部品加工では大きく分けて「切削」と「射出成形」があります。射出成形は金型を最初に作ってそこに金属や樹脂をはめて型通りに加工する方法です。切削は漢字の通り金属部品を図面に沿って削る行為となります。
図面通りの部品加工を実現する点に置いて両者に違いはありませんが、切削も射出成形も一長一短があるので、自分たちが加工依頼をしたい部品の精度とロット数を今一度見直してどちらを選択するか吟味するといいでしょう。
射出成形のメリットとデメリット
射出成形のメリットはロット数が多ければ多いほどコスト(単価)が安くなります。また、一度量産が始まると加工スピードも速いので、納期に遅れることもありません。
一方で射出成形は最初に金型を作ることになり、これが数十万から100万円以上かかりますので、小ロットだと切削よりも割高になりやすいです。また、量産過程で金型が気づいたりして、いつのまにか規格に合わなくなることもあるので、メンテナンスも重要です。
切削加工のメリットとデメリット
一般的に金属の部品加工は小型化が進んでいる現在は多くのケースで切削を選ぶことになります。金型では高い精度を実現できないためです。高度な工作機械を使えばマイクロメートル単位での精度が可能なのが切削の売りとなります。
一方で、切削は切り屑や不要な金属片が多く出るため、コストが高くなるデメリットもあります。また、技術者のスキルやプログラミング技術、使用する工作機械と工具、工場内の温度と室温なども精度に深く関わってくるため、製作所によって成果物は大きく違います。
金属の部品加工の優秀な技術者がいる工場はコストダウン化が上手い
上記では高精度の部品加工をオーダーする際には、相当の高価な工作機械が必要とご紹介しましたが、一方で金属の部品加工に対して優秀な技術者が在籍している工場であれば、使う工作機械の選別においてコストダウン化を図ることができます。
例えば金属の部品を切削加工する際、コストが高くなってしまう工作機械というのがあり、複合旋盤やレーザー加工、ウォータージェットなどがそれに当たります。
これらは通常のNCと比較すると、高いものであれば桁が一つ変わってくる値段となるので、使うとなるとどうしても見積もりが高くなります。
しかし、金属の部品の加工に精通した技術者であれば、「レーザー加工は使う必要はない」、「複合旋盤は必要ない。NC旋盤とマシニングセンタで十分」と考えることができ、その分コストダウン化を図ることができるでしょう。
金属の部品加工を依頼・オーダーするときは「素材」の調達に強い工場を見抜く
部品加工をオーダーする際は、「金属素材」について依頼主と工場側でよく吟味する必要があります。 まず、依頼主は当初予定している金属素材を安く調達できる工場を探すことが安くオーダーできる秘訣となります。
当該金属素材が日本国内で生産されておらず、ほとんどが中国など諸外国からの輸入に頼っているようであれば、アジアに拠点を置いている工場を探すのがおすすめです。
また、工場によっては「うちは真鍮はコストが高くなるよ」などと得手不得手がありますので、こちらも工場の取捨選択のポイントです。
ただし、すでに取引する工場が決まっている、もしくは、「この工場が信頼できるので、是非取引したい」と言うのであれば、金属素材を変更を検討するのも有効な手です。 工場担当者と打ち合わせをして、目的の部品加工をする際は、本当にこの素材でなければならないのか。他に代用できないのか、といったことを考えます。
これは使う部品の用途や合金の比率にもよりますので、親身に相談に乗ってくれる工場が見つかれば、きっと理想のオーダーができるはずです。
金属の部品加工の依頼・オーダーは図面が命!図面を話し合える業者は優良!
金属の部品加工は、一度工場にオーダーをすると、途中で変更することは難しいです。特に一度量産体制に入ってしまうと図面の変更はできません。
工場側は依頼主から引き受けたオーダー(=図面)に忠実に沿って部品加工をします。間違っても図面に書かれていないことをアドリブでやるようなことはしません。
理想の部品加工を成功できるか否かは、最初の図面に依存するといっても過言ではありません。 そのため、依頼主だけではなく、工場側にも責任感持って部品加工に取り組んでもらうように、両者で図面を深く何度も話し合うことが必須となりますので、それができる工場は優良ということができるでしょう。
こんな業者に部品加工の依頼したら駄目!「工場からの図面の提案がない」
一方で、取引を避けるべき金属加工業者も多く存在します。そのポイントとなるのが「工場側から一切図面に関する提案がない」というものです。
金属の部品加工を引き受けるまでの大まかな流れとしては、①問い合わせ&図面の提出(依頼主)、②見積もり提出(工場)、③予算&納期の再度打診(依頼主)、④見積もりの修正(工場)となります。
上記でご紹介したように、部品を加工する工作機械を変更したり、切削方法を変える、または金属素材を変えることによって、コストダウン化をすることができますが、このような提案を工場側が一切しなく、単純に「これ以上値段は下げられない」、「この納期では間に合わない」と突っぱねるような工場であれば、はじめから取引はするべきではないと言えます。
海外工場を持っている金属加工工場が強い理由
製造業は日本全国に数万社とありますが、工作機械の買値は、正直それほど差がありません。企業は金属の部品加工を依頼する前に、複数社から見積もりを取ることでしょうが、思っていた以上に大差がない、なんてことはよくあります。
そこで注視してほしいのが「海外工場を持っている製造業」です。 人件費の安いアジアの工場で金属部品も加工オーダーができれば、目に見える低コスト化を実現することができます。 もちろん工作機械は日本で使っている高精度の型番を使っていることが条件ですが。
また、国産ではなく海外からの調達が定番の金属素材を部品加工に使う場合は、海外工場を有しているところであれば、現地の自社工場で仕入れることができます。 海外現地工場でそのまま部品加工をすることもできますし、日本に輸出して日本の工場で加工を行うこともでき、選択の幅が広がります。
海外工場の金属部品加工依頼のデメリットをはっきりと伝えてくれる業者を選ぶ
日本人がすべて管理、加工を行う場合と、海外工場で部品加工を行うのとでは、やはり日本で加工する方が精度は高くなります。 海外工場を有しているといっても、実際部品の加工に当たるのは現地人ですし、日本人は管理の側がに回っているにすぎません。
また、レーザー加工や5軸加工機のような高度な工作機械がないことも多いですし、提携している他の加工業者の質も定かではありません。
海外工場に金属部品の加工をオーダーすれば、日本国内の加工と比べた際に2~4割程見積もりが安くなります。 しかし、精度を求める部品加工や量産のオーダーであれば、国内での加工がおすすめです。 この海外加工事情をはっきりと依頼主に伝えてる工場は、往々に信頼できるといっていいでしょう。
海外工場に金属部品加工を依頼・オーダーすると、トラブルへの対応に苦労する
近年は海外に拠点を持つ中小の工場も大分多くなりましたが、日本の本社側がどれだけ海外工場に力を入れているかは、見た目では分かりません。海外工場はあるものの、実際はほとんど稼働していなかったり、工作機械が劣化していて精度が著しく劣ることもあります。
また、海外工場といっても依頼された金属加工工程の大部分を現地の提携先工場に任せて、自分たちは利ざやを得る、といった企業も実際見受けられます。
こういった工場に金属加工をオーダーしてしまうと、規格外の製品が納品されたり、日本で加工の修正をしてくれない、あるいは追加料金をとられるといったトラブルもつきものです。そのため、コストダウン目的のために海外工場を探す場合は、現地工場が実際どの程度稼働しているのか、また現地の工作機械の種類、提携先工場は日系か地場かも調べることをおすすめします。
金属の部品加工の依頼・オーダーはフィリールへ。日本&ベトナムに工場を有する切削工場
海外工場を持っている製造業社は、往々にして独自の金属素材の輸入ルートも作っていたり、現地で協力会社と提携もしているので一気通貫及び量産にも強いのが特徴。
近年は競合との差別化を図るため、町工場でも高い技術力を誇る製造業は、海外に工場を持つようになりました。大阪に本社工場を持つフィリールでも、ベトナムのホーチミンに工場を有し、高精度&低コスト&低予算をモットーにお客様に最適な見積もりを提案しております。
フィリールは金属加工のすべての工程をを請け負っています
フィリールでは図面作成から切断、板金、製缶、切削、表面処理にいたるまで、すべてを一括で請け負うのことに強みを持っています。
日本・ベトナム共に申し分ない技術を持つ工場と提携しているため、個別に依頼するよりもコストダウンを図ることができ、同時に複数の工程をこなすことができるため、短納期にも貢献することができます。
フィリールは中小から大手メーカーまであらゆる金属加工の実績がございますので、金属加工のオーダーは是非一度ご相談ください。