金属の加工を依頼する場合、そのほとんどが最後に表面処理を施します。表面処理は金属加工における重要な加工工程の1つです。そこで、今回は金属加工における表面処理の種類や、中でも取り分け注意が必要な「黒染め」や「滑り性」の表面処理に関してご紹介します。
金属加工の表面処理の種類
例えば、プラモデルやジオラマにカラースプレーを吹きかけたり、車のカラーを変えることも表面処理の1つ。これらは外見を美観にすることが目的となりますが、製造業が請け負う表面処理は、強度を上げたり、滑りにくくしたり、防水や防食などが主な目的となります。具体的な表面処理の方法を挙げると、おそらく100以上ありますが、実際それらは「メッキ」、「塗装」、「アルマイト」の3つに区別することができます。
金属加工の表面処理の「滑り性」に関する注意点
金属の表面処理の中でも、注文が多い「滑り性」。素材を滑りやすくしたり、逆に滑りにくくしたりする表面処理加工方法となります。この表面処理の滑り性を求める場合、多くは摩耗性だけではなく、耐熱や伝導率、撥水といった効果もあり、また素材との相性が深く関わってきます。工場によっては技術者の知識不足で間違った表面処理を施してしまうこともあり、思わぬトラブルを招くこともあります。表面処理の中でも滑り性を求めたい場合は、複数の工場に同じ説明をしたのち、最も合理的で経験豊富な業者を選ぶようにしましょう。
金属加工の表面処理の「黒染め」に関する注意点
金属の防錆処理として、「黒染め」も要望が多い表面処理の1つです。黒染めは四三酸化鉄の皮膜を金属に塗ることによって、赤サビを防ぐことができます。そのため、鉄鋼の金属加工においてよく使われ、「黒染めして納品してね」としばしば言われる、需要の高い表面処理法です。この黒染めは、メッキや塗装といったコーティングをするのではなく、鉄鋼を化学反応させる処理となるので、剥がれる心配がないのが特徴。ただし、防錆性は高いものの、実は耐食性はほとんどありませんので、別途油を塗る必要があります。金属加工業者を選ぶ際は、黒染めの欠点も補う補助加工の提案を最初からしてくれるところがおすすめです。
金属の表面処理はできれば切削などの加工と同じ業者を選ぶ
金属素材における表面処理を業者に依頼する際は、切削や成形などの加工も同時に依頼して、1つの業者に一気通貫で一つの製品を完成してもらうのが、失敗しないポイントとなります。加工工程によって業者を変えるのは手間ですし、納期にずれもあるので費用対効果も悪く、割高になることがほとんど。図面起こしから加工、表面処理まで、すべてを請け負える町工場はそれほど多くはありませんが、是非探してみて下さい。
もちろん弊社フィリールは図面作成から金属加工、表面処理と、製品完成までお付き合いさせていただくことが可能です。