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SKD11とSKD61の違いが今すぐわかる!加工方法や使用用途を解説!!

2022.04.22(Fri)

材料Q&Aブログ

SKD11とSKD61の違いが今すぐわかる!加工方法や使用用途を解説!!

金型材用の合金工具鋼には、SKD11とSKD61が広く使われています。これらの合金は、それぞれ使用用途や性質が異なるため、各材料を使いこなすためには正しく理解することが重要です。本記事では、SKD11とSKD61の特徴や加工方法、主な用途について説明します。SKD11とSKD61の知識を深めて、各合金の違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. SKD11とSKD61について
  2. SKD11とは?
  3. SKD61とは?
  4. SKD11とSKD61の違い
  5. 硬度の違い
  6. 靭性の違い
  7. 成分の違い
  8. SKD11とSKD61の加工方法
  9. 放電加工
  10. 切削加工
  11. SKD11とSKD61の組織
  12. SKD11の組織
  13. SKD61の組織
  14. SKD11とSKD61の主な用途
  15. SKD11の用途
  16. SKD61の用途
  17. まとめ

SKD11とSKD61について

SKD11とSKD61は、頭文字に「SKD」がついている合金です。SKDとは、「Steel Kougu Dies」の各単語の頭文字をとった名称で、金型工具鋼のことを指します。SKDの後に続く数字は、合金の種類によって分類番号が割り振られています。SKD11とSKD61の各合金について、それぞれの特徴を確認していきましょう。

SKD11とは?

SKD11とは、主に冷間加工用の金型に用いられる合金工具鋼の一つです。合金工具鋼とは、0.55~1.5%の炭素を含む「炭素工具鋼」に対して、合金元素を添加して改良した鋼を指します。

したがって合金工具鋼は、炭素工具鋼と比較して良好な性質をもち、下記4つの特性に優れています。
・焼入れ性(熱処理で高い硬度を得る特性の指標)
・耐摩耗性(摩耗のしにくさの指標)
・耐衝撃性(衝撃に対する耐久性の指標)
・耐熱性(高温状況下でも高い特性を維持する指標)

合金工具鋼の中でも、SKD11は耐摩耗性に優れており、高い硬度を有する特徴をもつ合金です。SKD11の主成分はFe(鉄)であり、JIS規格(日本工業規格)によって下記のように成分が定められています。
・C(炭素)1.40~1.60%
・Si(ケイ素)0.40%以下
・Mn(マンガン)0.60%以下
・P(リン)0.030%以下
・S(硫黄)0.030%以下
・Cr(クロム)11.00~13.00%
・Mo(モリブデン)0.80~1.20%
・V(バナジウム)0.20~0.50%

SKD61とは?

SKD61とは、主に熱間加工用の金型に用いられる合金工具鋼です。SKD61は焼入れ性が良く、高温強度や靭性のバランスに優れています。

JIS規格で定められている化学成分は、下記のとおりです。
・C(炭素)0.35~0.42%
・Si(ケイ素)0.80~1.20%
・Mn(マンガン)0.25~0.50%
・P(リン)0.030%以下
・S(硫黄)0.020%以下
・Cr(クロム)4.80~5.50%
・Mo(モリブデン)1.00~1.50%
・V(バナジウム)0.80~1.15%

熱間工具鋼として使用されるSKD61は、特に靭性が重要な特性であるため、C量が低く設計されている特徴があります。

SKD11とSKD61の違い

SKD11とSKD61は、どちらの合金も工具鋼として使用されますが、得られる特性や合金に含まれる成分が異なります。各合金における主な違いは、下記の3点です。
・硬度
・靭性
・成分

上記の3点に着目し、SKD11とSKD61の特徴の違いを確認しておきましょう。

硬度の違い

SKD11とSKD61の1つ目の違いは、硬度が異なることです。SKD11はSKD61に比べて、高硬度であることが特徴です。焼入れ・焼戻し処理を行ったSKD11は、58HRC(ロックウェル硬さの単位)以上の硬さになります。

焼入れとは、硬度を向上させるための熱処理のことを指し、焼戻しは靭性を向上させるための熱処理のことです。焼入れを行うと合金の硬度は向上しますが、もろくて割れやすい性質をもつため、焼戻しを行うことで割れを防ぐ必要があります。

一方でSKD61は、焼入れ・焼戻し処理を行うことで、50HRC以上の硬さになります。

このように硬度に違いが生じる理由は、各合金に含まれる添加元素の量が異なり、成分が違っているためです。たとえばSKD11では、SKD61に比べてC量が多いため、58HRC以上の高い硬度が得られます。C量が多ければ多いほど、FeとCから形成される化合物が多く生成され、この化合物が硬い性質を示すためです。

靭性の違い

靭性が異なることも、SKD11とSKD61の相違点です。SKD11のシャルピー衝撃値が約10~20 J/cm2であるのに対して、SKD61では200J/cm2以上の値を示します。

シャルピー衝撃値は、靭性の指標として使われており、シャルピー衝撃値が高い材料は靭性に優れているといえます。SKD11やSKD61を金型として使用する際、外部から衝撃を受けて割れが発生すると、トラブルになりかねません。

そのため、金型材などの衝撃を強く受ける用途では、衝撃に耐えられる材料選定が大切です。強い衝撃を受けて割れが発生したり、破壊したりするトラブルを防ぐためには、材料自身が高い靭性を有することが重要になります。

靭性に違いが生じる原因は、合金中に含まれるC量が異なるからです。SKD11と比較して、SKD61に含まれるC量は少ないため、硬くてもろい化合物の形成を低減でき、良好な靭性が得られます。

またV量が多いことも、SKD61が優れた靭性を示す理由の一つです。Vは鋼に添加する場合、靭性を向上させる効果のある元素として知られています。

成分の違い

SKD11とSKD61に含まれる成分の種類は同じですが、添加量に明確な違いがあります。各合金によって、それぞれ目標とする特性が異なるためです。具体的には、下記の元素量に明確な差が見られます。
・C
・Cr
・Mo
・V

SKD11は、高い硬度が要求される用途に使用されるため、SKD61に比べてC量が多く含まれています。C量を増加することで、硬い化合物を多く形成させて硬度の向上を狙うためです。

一方でSKD61は靭性も要求されるため、C量は比較的少なく設計されています。硬度と靭性の関係は、トレードオフの関係です。つまり、C量が多ければ多いほど硬度が向上しますが、靭性は低下します。同様に、C量が少ないと化合物を形成しにくくなり、硬度は低下しますが優れた靭性が得られます。

SKD61は、硬度をやや低めにすることで高い靭性を有しており、硬度と靭性のバランスに優れた材料の一つです。

高い硬度を得るためには、C以外の添加元素も重要です。たとえばCrを添加すると、Cr系の炭化物が形成されるため、高硬度が得られます。したがってCr含有量が多いSKD11は、SKD61と比較して硬度に優れる特徴があります。

さらにCr系の炭化物は、耐摩耗性にも優れる性質があるため、SKD11は耐摩耗性も良好な合金です。

SKD61は熱間加工時の強度が重要になりますから、MoとVが多く含まれていることも特徴の一つです。MoとVは熱間強度を向上させる役割があるだけでなく、耐摩耗性の向上にも寄与しています。

以上のように、使用用途に必要な特性に応じて添加元素が選定されており、添加元素の量が特性に影響を及ぼしています。

SKD11とSKD61の加工方法

SKD11とSKD61は高い硬度を有するため、加工が難しい材料です。硬度が高い場合、加工時に割れが発生しやすいからです。SKD11やSKD61を加工する際、一般的には放電加工や切削加工を使用します。

放電加工

一つ目の加工方法は、放電加工です。放電加工とは、加工する材料と電極の間に火花を発生させ、火花の熱で金属材料を溶かしながら飛散させる加工方法です。

金属を溶かして加工する放電加工では、高い硬度を有する材料でも、簡単に加工できます。しかし放電加工で加工した材料は、微小な割れが発生したり変形したりする懸念があるため、注意が必要です。なぜなら、放電加工での加工時に発生する熱影響を受けるためです。

したがって、放電加工では材料加工のノウハウが必要になりますから、加工実績のある企業に加工依頼することをおすすめします。

切削加工

切削加工も、SKD11とSKD61に使われる加工方法の一つです。切削加工では、あらゆる加工方法の中でも高い精度が得られる特徴があります。また切削加工は、58HRC以上の高硬度を有する材料でも加工できます。

切削工具に使われる材質は、高速で加工できる高速度鋼や、硬い材料として知られるダイヤモンドなどです。加工材料にあわせて工具の材質を正しく選択することで、工具の摩耗を防げるため、幅広い硬さの材料を加工できるようになります。

SKD11やSKD61の切削加工を外注で依頼する際、コストや品質、納期の面から検討すると良いでしょう。

切削加工を依頼する際は、加工費用だけでなく、形状や加工工程によって変動する費用も検討が必要です。また切削加工では、材料が割れずに精度よく加工することも重要になりますから、高品質で仕上げてもらえる企業を選ぶことをおすすめします。

さらに、素早く加工を行うためには、依頼先の企業が短納期で対応していることも大切なポイントです。

フィリールでは、高品質と短納期を実現する加工を行っています。ベトナムで海外生産を行うなどコスト削減を図り、高品質での加工ができる強みがあります。材料加工に失敗したくないと考えている方は、ぜひフィリールに見積依頼や相談をしてみてはいかがでしょうか。

SKD11とSKD61の組織

SKD11とSKD61の組織は、それぞれ異なる特徴があります。合金の組織は、材料の特性に大きく影響を及ぼすため、組織の違いを理解することが大切です。具体的に説明しますので、各合金の特徴をおさえておきましょう。

SKD11の組織

適切な熱処理を施すことで、SKD11は優れた特性を示します。最終製品を得るために必要な熱処理は、次の3つです。
・焼なまし
・焼入れ
・焼戻し

SKD11の熱処理では、はじめに焼なましによる熱処理を行います。焼なましとは、材料を高温状態の炉内で保持することで、成分の偏析を防ぐための熱処理です。硬度や靭性といった目的とする特性を得るためには、金属材料の組織が均一であることが重要です。

SKD11の焼なまし条件は、820~870℃での徐冷です。徐冷は、徐々に温度を下げる冷却方法であり、冷却方法によって最終的に得られる組織は異なります。

焼なましが完了した後、焼入れによる熱処理を行います。焼入れとは、材料の硬度を向上させるための熱処理のことです。SKD11の焼入れでは、空冷と呼ばれる冷却方法を利用します。空冷とは、熱処理で高温状態になった材料を、熱処理炉から取り出して大気中で冷却する方法のことです。

SKD11の焼入れ条件は、1020℃での空冷です。

最後に、焼戻しによる熱処理を行います。焼戻しとは、焼入れが完了した材料を再び熱処理することで、材料の靭性を回復させるための熱処理です。

焼入れ直後の材料は、硬度が高い特徴がありますが、もろくて割れやすいデメリットもあります。材料の使用中に割れを防ぐためには、靭性を回復させる焼戻しが重要になります。焼戻し温度は焼入れ温度よりも低く、SKD11の焼戻し条件は550℃での空冷です。

以上のように熱処理を施したSKD11の組織は、次の3つの組織から形成されます。
・母相(マトリックス)
・炭化物
・非金属介在物

マトリックスはSKD11のベースになる組織であり、焼入れ直後の状態は硬い性質をもつ組織(マルテンサイト)です。このマルテンサイト組織が形成されることで、高い硬度が得られます。

SKD11で発現する主な炭化物は、Fe系とCr系の炭化物です。いずれの炭化物も、マトリックスに比べて硬い性質があるため、SKD11は耐摩耗性に優れる性質があります。炭化物の量が多いほど硬度は向上しますが、切削加工が難しくなるため注意が必要です。

非金属介在物は、材料中に含まれる酸化物や硫黄物のことです。マトリックスや炭化物とは異なり、非金属介在物は材料特性に悪影響を及ぼします。ですから、材料の特性を十分に発揮するためには、非金属介在物を可能な限り低減することが重要です。

SKD61の組織

SKD61の熱処理では、SKD11と同様に焼なまし後に焼入れを行い、最後に焼戻しを施します。各熱処理の条件は、下記のとおりです。
・焼なまし条件は、830~880℃での徐冷
・焼入れ条件は、1030℃での空冷
・焼戻し条件は、180℃での空冷

上記の熱処理を施したSKD61は、SKD11と同じくマトリックスや炭化物、非金属介在物から形成される組織を有します。

SKD11とは炭化物の量が異なるため、SKD61が有する特性に差が見られます。たとえばCr系の炭化物はSKD11に比べて少ないため、炭化物量に応じて硬度が低くなる点が特徴的です。

SKD11とSKD61の主な用途

SKD11とSKD61ではそれぞれ特徴が違っているため、異なる用途で使用されます。それぞれの使用用途について、具体的に把握しておきましょう。

SKD11の用途

SKD11は、主に金型プレスなどの冷間加工用金型材として使用されます。冷間加工とは、室温に近い温度で加工を行う方法です。表面仕上がりに優れることや、高い寸法精度と形状精度が得られることが、冷間加工の特徴です。

冷間加工では、高い強度や耐摩耗性が要求されるため、高強度と耐摩耗性を両立するSKD11は冷間加工に適した材料だといえます。

具体的には、冷間鍛造や冷間プレスなどの冷間加工や、ファインブランキング(高精度で行うプレス加工)の用途に使用されています。

SKD61の用途

SKD61の主な使用用途は、熱間加工用の金型材です。熱間加工とは、一般的に数百℃以上の高温下で加工を行う方法を指します。

一般的に加工時に負荷が発生すると、材料に割れが発生する恐れがあります。加工時の割れを防ぐためには、金属材料がやわらかい状態であることが重要です。熱間加工では、金属材料がやわらかくなる高温状態で加工するため、加工時の割れを防止できます。

このように熱間加工では割れが発生しにくいことから、加工時に割れが発生しやすい「複雑形状」や「大型部品」の加工に適しているといえます。

したがって、大型の金型にも適用されている合金がSKD61です。このほか、熱間プレスや押出工具、刃物などの幅広い用途に使用されています。

まとめ

SKD11とSKD61はどちらも金型工具鋼ですが、用途や特徴がそれぞれ異なっています。また各合金の加工を行う際は、それぞれの特徴を正しく理解することが重要です。フィリールでは、幅広い金属材料の知識と加工実績がありますから、金属材料の加工を検討している方は、ぜひ相談することをおすすめします。

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