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C3604銅合金の化学成分と機械的性質|快削性に優れた真鍮材料の特徴と用途

2025.10.06(Mon)

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C3604銅合金の化学成分と機械的性質|快削性に優れた真鍮材料の特徴と用途

C3604銅合金の化学成分と機械的性質|快削性に優れた真鍮材料の特徴と用途

C3604銅合金は、黄銅(真鍮)の一種であり「快削黄銅」と呼ばれる材料です。特に化学成分に鉛を含むことで切削加工性に優れており、量産部品の加工に広く使用されています。本記事では、C3604の詳細な化学成分や機械的性質を解説し、用途や他材質との比較まで網羅します。材料選定や加工現場での参考になるよう、専門的な情報をわかりやすく整理しました。

目次

  • C3604銅合金とは
  • C3604の化学成分
  • C3604の機械的性質
  • C3604の用途
  • 他材質との比較
    • C3604とC2801(黄銅板)の比較
    • C3604とC2680(七三黄銅)の比較
    • C3604とステンレス材の比較
  • まとめ
  • よくある質問(FAQ)

C3604銅合金とは

C3604はJIS規格における銅合金の分類で、「快削黄銅」とも呼ばれています。主成分は銅と亜鉛で、さらに少量の鉛(Pb)が添加されていることが特徴です。この鉛の存在によって切削性が格段に向上し、旋盤・フライス盤などでの加工効率が非常に高い材料として知られています。

黄銅材料の中でもC3604は最も使用頻度が高く、電気部品・水栓金具・精密機械部品など多くの産業分野で採用されています。特に切削加工の量産に適した素材であり、製造業において定番の材料といえるでしょう。

C3604の化学成分

C3604の化学成分は以下の通りです。JIS H3250に規定されており、成分の割合によって快削性・強度・耐食性がバランスよく発現します。

元素 含有量(%) 役割
Cu(銅) 57.0〜61.0 基材、導電性・耐食性を付与
Zn(亜鉛) 余部(約35〜40) 強度を高める、コスト低減
Pb(鉛) 1.8〜3.7 快削性を向上
Fe(鉄) 最大0.5 強度に寄与する場合あり

特に注目すべきはPb(鉛)の添加です。鉛は銅や亜鉛に固溶せず、組織中に微細に分布するため、切削時に刃先を潤滑する役割を果たし、加工面を美しく仕上げる効果もあります。そのため、C3604は「加工屋泣かせ」といわれる難削材とは対照的に、非常に扱いやすい材料とされています。

C3604の機械的性質

C3604の機械的性質は、強度・延性・耐食性のバランスが取れた特徴があります。以下に代表的な物性値を示します。

性質 数値(参考値)
引張強さ 約350〜500 N/mm²
耐力 約150〜350 N/mm²
伸び 約20〜40%
硬さ(HB) 80〜120
導電率 約26% IACS

機械的性質からわかるように、C3604は適度な強度と高い加工性を両立しています。構造部材として使用されるほどの高強度はありませんが、精密部品や水回り製品には十分な性能を発揮します。導電性もあるため、電気関連部品に利用されることも多いです。

C3604の用途

C3604はその快削性と加工後の寸法安定性により、多岐にわたる産業分野で活用されています。代表的な用途は以下の通りです。

  • 水栓金具(バルブ、継手、蛇口部品)
  • 電気部品(端子、コネクタ、スイッチ部材)
  • 機械部品(歯車、ピン、シャフト、小ネジ)
  • 建築金物(ドア金具、装飾部材)
  • 自動車部品(燃料系統の小物部品)

加工後の仕上がりが良好であり、表面処理(ニッケルメッキ・クロムメッキ)との相性も良いため、装飾用途や耐食性が求められる分野でも高い評価を得ています。

他材質との比較

C3604とC2801(黄銅板)の比較

C2801は一般的な黄銅板であり、鉛を含まないため加工性はC3604より劣ります。しかし延性や板材成形性に優れているため、プレス加工や絞り加工に多く利用されます。一方、C3604は切削加工に特化した材料として使い分けられています。

C3604とC2680(七三黄銅)の比較

C2680は銅70%・亜鉛30%の比率を持つ七三黄銅で、強度と耐食性がC3604より高い傾向にあります。ただし切削加工性はC3604に及ばないため、加工効率が求められる場合はC3604が有利です。

C3604とステンレス材の比較

ステンレス鋼は耐食性や強度で優れていますが、切削加工性は劣ります。大量の機械加工が必要な部品ではC3604が適しており、腐食環境や強度が重視される場合はステンレスが選ばれます。用途ごとの最適な選定が重要です。

まとめ

C3604銅合金は快削黄銅として、化学成分に鉛を含むことで優れた加工性を持つ材料です。機械的性質は中強度であり、導電性や耐食性も兼ね備えているため、幅広い分野で活用されています。他材質との比較を踏まえたうえで、部品用途や加工方法に最適な選定を行うことが重要です。

C3604銅合金のような切削性に優れた黄銅は、
金属材料の特性解説コラム でも詳しく解説しています。
他の銅合金やアルミ材との比較を知ることで、より適切な素材選定につながります。

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具体的な活用事例やご相談は上記よりお気軽にご連絡ください。

よくある質問(FAQ)

C3604銅合金は鉛フリー規制に対応していますか?
C3604は鉛を含有するため、RoHS指令や鉛フリー規制が厳しい用途では制限される場合があります。ただし、鉛フリー快削黄銅(C3602やC3603代替材)が開発されており、輸出や環境規制対応の製品ではこれらの代替材が選ばれるケースも増えています。用途に応じて規格適合性を確認することが重要です。
C3604の熱処理は可能ですか?
C3604は快削性を重視した合金であり、一般的に熱処理による強化は行われません。銅合金の中でも析出硬化型の材質(ベリリウム銅など)とは異なり、C3604は冷間加工や引抜き加工によって強度を調整します。強度が必要な場合は他の合金を選択するのが適切です。
C3604の耐食性はどの程度ですか?
黄銅全般に共通する性質として、C3604も適度な耐食性を備えています。特に淡水環境では問題なく使用可能ですが、アンモニアや酸性環境では「応力腐食割れ」が起こる可能性があります。耐食性が最重要な場合はステンレス鋼や銅ニッケル合金を選定する方が安全です。
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