金属部品加工のオーダーメイドを工場に依頼する際、なかなか思い通りにはいかないものですよね。「納期が遅れている」、「予算を大きくオーバーした」、「試作品を何度もやり直している」、「納品された部品が規格に合わない」といった問題は頻繁に発生します。そこで、ここでは金属部品加工のオーダーメイドで失敗しないポイントをすべてご紹介します。
目次
金属部品加工のオーダーメイドを検討する前に既製品を確認
金属部品加工をオーダーメイドするとなると、やはり既製部品と比べると価格は高くなってしまいます。そのため、まずは「本当に欲しい金属部品加工は、既製品には存在しないのか」を調べてみるといいでしょう。
少し特殊な形状の金属部品であっても探せば意外とあるものですし、仮に見つけることができた場合は、オーダーメイドの予算と比較して大きな経費削減ができます。
既製品・規格品の二次加工・追加工の価格の注意点
既製品やメーカーの規格品に穴を開けたり、特定の部位を除去するだけといった場合は、オーダーメイドで一から作るよりも大分価格は安く済むことは多いです。ただし、このような二次加工・追加工を前提に既製品や規格品の仕入れを考えている調達関係者は、まずは切削工場にご相談ください。
調達関係者の方々は「このくらいの作業簡単でしょ」と考えていても、実際は高価な工作機械や複数の工程が必要であることも珍しくありません。そのようなケースでは、規格品の仕入れよりも二次加工・追加工の価格が高くなってしまい、結果的にイニシャルコストが高くつくこともあります。
金属部品加工のオーダーメイドで予算がオーバーしてしまう理由
金属部品加工をオーダーメイドする際に、どうしても予算がオーバーしてしまうことがありますが、これは単純に当初見積もっていた予算が少なすぎることが考えられます。金属部品加工のオーダーメイドの場合は、まず最初に図面の作成及び試作品を作ります。この試作品は量産化したときのコストと比べると、数十倍に膨れ上がることがあります。
もちろんオーダーメイドの試作品が失敗続きであれば、それだけ予算も必要となりますし、最悪工場側から「うちじゃあちょっと無理だね」と断られることもあるかもしれません。
ただし、製造業の中には試作品を専門に請け負っている業者もありますが、こちらへの依頼はおすすめできません。量産を見据えているのであれば、やはり切削工場に依頼するべきです。試作品作成と量産加工の工場を変えてしまうと、使用する工作機械や環境、技術者が異なってしまうため、同じ設計図でもうまくいかないことがよくあります。
金属加工のオーダーの価格。安くするポイントは「適切な切削と材料選び」
金属加工をオーダーする際には必ず価格の交渉をすることでしょうが、単に「安くしてくれ」といわれても、最初から適切な見積り価格を提示している工場は困ってしまいます。
金属加工のオーダー価格を安くするポイントは、「適切な切削工程となっているか否か」です。例えば超硬合金でもないのにレーザー加工機を使ったり、NC旋盤だけで十分なのに複合加工機を使ったりすると、機械チャージの名目で見積もり価格が高くなります。
また、ステンレスでも適用できるにも関わらず、真鍮やジェラルミンといった金属素材を使ったときも価格は高くなります。本当にその材料と切削方法が必要なのかは、切削業者の担当者とよく相談をするとともに、打ち合わせの最中に「もしかしたらこの切削工程は必要ないかも」、「あえて高い切削方法を提案されているかも」と感じた場合は、すぐに別の業者に相談して相見積もりをとるのがいいでしょう。
金属部品加工のオーダーメイドで量産化を失敗しないポイント
同じ工場に金属部品加工のオーダーメイドを依頼しても、試作品で金属部品を作る加工工程と、実際の量産化で金属加工を行う工程は違うことが普通です。そのため、量産加工自体は滞りなく進んでも、実際に規格に当てはめてみると、なぜか合致しない、といった問題が発生します。
この問題を発生させないためには、最初に依頼する工場選びが非常に重要です。試作品から量産化までの一貫した加工の実績とノウハウがどれほど蓄積されているかが成功するか否かのポイントとなります。
海外工場に安く依頼して失敗する典型的な例
海外工場に金属部品加工のオーダーメイドを依頼すると、日本で制作するよりも各段に価格が安上がりとなります。しかし、その分トラブルが多く、典型的な例としては、出来上がった金属部品の公差がずれていたり、公差は問題なくともなぜか規格に合わせようとしても合わなかったり、ハードが作動しない、なんてことがあります。
この原因の1つは、「従業員が図面通りに制作していない」ことが考えられます。外国人は結果(寸法)が同じであれば問題ないという考えを持っている傾向にあり、図面や工程の指示通りに加工しない場合があります。
図面や加工指示から外れたオーダーメイドの金属加工部品は、しばしば原因不明の問題が発生します。そのため、海外工場に依頼する際は、しっかりと日本人技術者が現地人に技術指導をしていることが条件となり、単に「うちは海外工場と提携している」、といった業者への依頼はおすすめできません。
フィリールでは創業以来金属部品加工のオーダーメイドで豊富な実績があります
弊社フィリールは、金属部品加工の切削工場として創業以来、数多くのオーダーメイドの金属部品加工の実績があります。また、冒頭でお話したように、最初は既製品で賄えないかを調べることをおすすめしますが、弊社代表は、中国にある大規模な部品生産工場の取締役副社長を兼任しており、そこで、既製品で当該部品がないかチェックをすることができます。
中国の部品生産工場で低予算で量産化を実現
上述した中国の金属部品加工の生産工場では10万個以上の量産加工も可能です。もちろん既製品がない場合もオーダーメイドで試作品から作ることもできます。また、量産は必要ない、という場合は、日本の大阪本社工場、もしくはベトナム工場にて金属部品加工を行うことができ、いずれの工場でも試作品から切削、表面処理まで一貫して請け負うことができます。
ベトナムの切削工場では熱心な技術指導も
ベトナム工場は提携しているのではなく、弊社所有の工場となるため、工作機械は日本メーカーのものを持ち込んでおりますし、ベトナム人技術者も日本人による技術指導を受けています。金属素材によって得手不得手はありますが、極力日本工場と技術の差がないよう努めて加工することができます。
また、ベトナム工場で制作したオーダーメイドの金属部品加工は、日本の大阪工場にて日本人技術者が最後の加工チェックを行いますので、粗悪品が納品されることはありません。
金属部品加工のオーダーメイドは大阪本社でも受注が可能!
1万から10万個単位の量産や、納期は余裕があり、できるだけ予算をカットしたいという場合は、上記の通りベトナムや中国工場での金属部品加工がおすすめです。しかし、「納期が押している」、「高精度を求めるため品質を重視したい」、「本社からの命令で中国は使えない」といった条件がある場合は、大阪本社の工場で金属部品加工を請け負わせていただきます。
金属部品加工のオーダーメイドを大阪本社で実施する強み
大阪及び関西圏のお客様であれば、直接対面でのお打ち合わせが可能となります。金属部品加工業者は大阪だけでも100以上の工場が存在しますが、金属部品や素材の調達ルート、常設している工作機械、技術者のスキルは大きく異なります。そのため、メーカー担当者が業者を選ぶ際は、工場の持つ強みだけではなく、担当者の人柄や信頼できるか否かなども判断基準の材料となります。
弊社では海外に丸投げするのではなく、大阪から海外への明確な指示系統を持ち、さらに通常の金属部品加工に関しては大阪本社で切削することができるのが、大きな強みとなります。また、弊社のお客様担当者は常に丁寧な提案と説明を心がけております。町工場にありがちの職人気質ではなく、誠実な対応をさせていただきます。
金属部品加工の大まかな工程
金属部品加工を弊社にご依頼いただいた際の大まかな作業工程をご紹介します。工程は弊社に限らずどの工場でも共通しています。
1.お問い合わせ(メールor電話)
最初のお問い合わせやご相談はメールの方が確実となります。できるだけご依頼内容を具体的にご記入いただくとともに、図面など設計図がございましたら、そちらも添付してください。
2.お見積り
もしご予算や納期が決まっておりましたら、そちらもお伝えください。最初に具体的な図面をいただけましたら、一両日中にお見積りを出すことも可能です。弊社では料金に誤解ないよう、明確な内訳を記載しております。もしご不明点ございましたら、お気軽にご質問ください。
3.ご契約
お見積りに同意いただけましたら、ご契約となります。
4.金属部品加工開始
金属部品加工を開始します。弊社は切削加工の専門ですが、板金、製缶、表面処理も提携工場と協力して請け負うことができます。完成品まで一気通貫で受注することにより、品質管理を徹底することができ、また、見積もりもリーズナブルとなります。
5.加工チェック
加工をした金属部品に関しては、日本人技術者の目利きによってしっかりと加工チェックをします。ベトナムや中国で加工をした金属部品に関しても、お客様に直接納品することはなく、最初は大阪本社に持ち込み、日本人がしっかりと加工チェックをします。このときに不良が見つかった場合は、大阪本社にて修正を致します。
6.納品
お客様の元に検品・品質確認済の金属部品加工を納品いたします。
個人の金属部品加工のオーダーメイドも歓迎します!
「個人の案件は受注しないよ」と町工場に断られた個人のお客様も、是非弊社に一度お声掛けください。昨今は一般個人のDIYも流行っており、かなり凝った作品をお作りの方の中には、金属加工部品のオーダーメイドをしたい、という方も多くなってきました。弊社では可能な限りお安くお見積りを作らせていただきますので、是非個人の方のオーダーメイドもお気軽にお問い合わせください。
金属加工の個人の持ち込みはできる?
「金属加工の個人の工場の持ち込みはできるの?」というお問い合わせはよくいただきます。また、「個人の持ち込みの場合は価格は高くなるのか?」という質問も多く見受けられますね。
まず、金属加工の個人の持ち込みは大抵がアルミやステンレス材となるので、基本は持ち込み可能ですし、仮に金属素材がない場合は、工場側で販売することもできます。
また、加工価格に関しては、個人でも企業でも変わりはありません。穴あけや切断程度であれば数百円でも請け負うことができるでしょう。ただし、ちょっと複雑な切削であったり、高価な工作機械を使わなければならない場合は、人件費や加工チャージが必要となるので、その分費用に上乗せされます。見積りや請求書作成など事務方の手続きにも手数料がかかりますので、それらもすべて上乗せされると、個人の持ち込みだと高く感じることはあると思います。
金属加工をホームセンターに依頼はできる?
木材であれば、多くのホームセンターで加工依頼ができるようになりましたが、金属素材はどうでしょうか。金属素材は切削加工には高価なマシーンを使いますので、使用料は当然高くつきますし、材料も木材と比べて高いです。
そのため、切削業者と提携しているホームセンターであれば別ですが、そうではない一般のホームセンターで金属加工を請け負うところはほとんどないのではないでしょうか。
近年の金属・樹脂素材の価格上昇と調達困難の問題
新型コロナにより乱れた需給のバランスは2022年に入ると回復傾向となりましたが、今度は円安とロシアウクライナ問題に直面。特に円安により物流価格・輸入価格は高騰を続けており、2021年と比べると30~40%前後割高となっています。
また、それだけではなく近年は半導体産業が急速に発達し、金属素材や樹脂素材もなかなか日本に入ってこなく、調達が困難な状況にもあります。
安定した価格と数量の仕入れが可能な金属加工工場の特徴
金属加工の工場の中でも、このご時世にも関わらず安定した価格と数量の仕入れを可能としているところは、「海外に工場(拠点)があり、商社や販売店を介さず自社で調達と輸出入ができている」ことです。海外に提携工場があっても、そこから金属素材を買い付けするのであれば、それほど価格差はでませんが、自社資本の入っている海外工場から日本工場へ輸出するのであれば、安い価格で安定した数量の調達ができます。
金属部品加工のオーダーメイドは大阪のフィリールへご相談を
昨今は世界情勢や新型コロナの影響で、金属部品が一部で高騰を続けています。そんな中、弊社フィリールではベトナム及び中国から直接素材を調達できるため、努めて安く、そして安定した供給ラインを築いております。
金属部品加工のオーダーメイドをご検討の企業担当者は、まずは弊社フィリールにご相談ください。